薬屋りかちゃん(1)



薬屋りかちゃん(1)/新井葉月(Amazon)


薬剤師漫画って珍しいですよね。
自分のよく知らない業界を描いた漫画の、新鮮で、興味深く、勉強になることと言ったら無いです。
まぁ、全てを丸々鵜呑みにするワケではないですけれども。



さて、この「薬屋りかちゃん」は新井葉月先生が”現役薬剤師漫画家”とのことで、描かれ方は浅いものではなく、かといって医療業界の深い部分に踏み込みすぎず、良いバランスで描かれているかと思います。
新井先生の絵柄も相まって、全体的に柔らかく優しい感じです。


そんな柔らかい雰囲気のこの漫画は、薬局を舞台にした薬剤師と訪れる人達の心温まるお話。


病気で病院に通えば薬を処方されるワケで、病気が治るまで通院するのが一般的。
であれば、処方箋を持って薬局に通うのも数回に渡るのは至極当然のこと。
1回目、2回目、3回目、と来る患者さんのことが少しずつわかる変化が読み取れるのが、この漫画の面白さのひとつなんじゃないかと思うのです。


それは、患者さんの病状の変化や心情の変化によるものであったり、薬剤師の視点の変化や、今まで見えていなかったものが見えるようになったことによるものであったり。
いずれにせよ、患者さんと薬剤師の”距離”がある程度近づいたことを感じられ、心地良さを感じさせるんじゃないかなぁ。



どの業種でも言えることですが、店頭というところは妙なことが多く起こるもので、そういった実体験に基づいて描かれているんだろうと、所々で感じます。
メーカーの営業が来るあたりで妙にリアリティを感じてしまったり。


これからも現役薬剤師ならではの、自分の知らない薬剤師の仕事を読ませて欲しいものですよ。



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