No.1・ツンヘコ漫画! - 夜桜四重奏(ヨザクラカルテット)(2)



夜桜四重奏(ヨザクラカルテット)(2)/ヤスダスズヒト(Amazon)


はてさて、ヤスダスズヒト先生の初オリジナル長編単行本「夜桜四重奏」の2巻が発売です。
私はヤスダスズヒト先生のファンなのですが、不覚にも発売日のチェック漏れしていて、書店の新刊棚で見つけてビックリ。
自分が情けなくて、ちょいとヘコみましたよ。



2巻のあとがきでヤスダ先生が「ブログでの感想を見るのが楽しみ」と書かれており、「検索かけて見に行きます」と書いてらっしゃいます。
なので、ウチのブログももしかしたら見て頂けるかもしれないと思うと緊張しますが、感想をば。



1巻では、世界観の概要の提示的なエピソードと、メインキャラ4人のうち女性キャラの掘り下げのエピソードでした。


2巻では、4人の内の唯一の男性キャラ・秋名のエピソードを、幼馴染の恭介と桃華を交えての話から始まります。
主人公らしく(秋名が主人公ですよね?)、3話使っての掘り下げで、世界観の設定を絡めての展開や、重要な立ち位置にいると思われる新キャラの登場と、個人的には良い3話分であると思います。


ただ、引っ掛かったというか、軽くガックリきたのが、1巻や裏表紙、キャラ紹介でさんざ『一般人』と強調してあった秋名が全然一般人じゃなかったこと。
完全に一般人であっても、面白いんじゃないかな〜、とは思いますが周囲のメンツから考えると難しいのかもしれないですね。
というか、1巻の第4夜で犬の妖怪に対して、トドメとなる行動を起こしていたのが秋名であったことを考えれば、その時点で何かしら能力を持っており、『一般人』ではないと気付けなかったのは私の読解力不足。
あれは「この世」から「あの世」へ送っていたんですね。



登場人物の「見せ方」について、1巻でも感じたことですが、2巻でも顕著だと思ったことで感想を。


この漫画において、「読みにくい」「わかりにくい」といった引っ掛かる部分は、「キャラや舞台を、あまり説明なく唐突に出す」ことが起因していると思うのです。
それは第1夜のように、説明なく思いっきり暴れさせるという見せ方だったり、また、サブキャラやモブキャラだと思っていたキャラが、普通に話に絡むキャラであったり、といった違いはあるものの、ほとんどのキャラや設定に関して、基本的には『説明や紹介なく登場させ、後に掘り下げるエピソードが入る』という演出をしているからだと思うのですね。
やっぱり、これだと読みにくいと感じる部分であるかもしれません。


ただ、個人的にはこの演出は大好きです。
「ある程度メインで話に絡む前に、顔見せ程度で登場していた」というのは、メインキャラとして読者に認識される前であってもその舞台にいるということから、その作品『世界の住人として普通に生活をしている人物』という風に感じられるから好きなのです。
そういう点では、2巻はバトルメインではなく、日常シーンが多いので良いなぁ。
で私は、第1夜のミナ・カナや、第4夜の獅堂は、初めは完全にモブキャラとして認識していましたよ。



この漫画、キャラ紹介に「隠れ設定」なるものがあります。
作品にメインに絡まない設定ですね。
私の好きなキャラ、ことはの隠れ設定は「百合っ子」。



さり気なく(?)、本編に活かされました。


大筋のストーリーには影響しないものの、読み返すと1巻でもヒメの体重アップのセリフがあり、さり気なく設定が活かされています。
気付くのが遅かったかもしれませんが、隠れ設定に絡んだ部分を見つけるのが、楽しみのひとつとして増えましたよ。



ファンの一人として、今後の展開を楽しみにしており、応援してますので、面白くなっていって欲しいですし、是非頑張って頂きたく思います。



■既刊レビュー
夜桜四重奏(ヨザクラカルテット)(1)


夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(2) (シリウスKC)

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(2) (シリウスKC)