ARIA(10)
今の私にとって、一番癒される漫画は間違いなく「ARIA」です。
この作品を好きな人の多くにとって、そうなんじゃないかなぁ。
作品全体を覆う雰囲気が優しく柔らかいのは最早言うまでもなく、読んでいて日々の仕事に疲れた心に沁みます。
それぞれのエピソードが綺麗でありながら、時に厳しく現実に向き合わせてくれる。
魅せる場面の絵・構図・雰囲気・セリフの一言までもが合わさって、心を打つものとなっています。
「理想論、キレイごとだ」と思うこともありますが、いいじゃないですかキレイごと。
キレイごとで生きていけたら最高だと思うのですがいかがでしょうか。
灯里達にとって、これが普通のことであり自然なことであり、読者に対して押し付けがましいものでないのがこの作品の良さのひとつでしょう。
この作品は癒される漫画であり、前述のように、読み手の日常を見つめなおさせてくれる側面もあります。
それは「人生は楽しいもの」と思わせてくれたり、自分の駄目な部分を思い起こさせ向上する切っ掛けにもなります。
例えば、「Navigation47」のアリスのクリスマスのエピソードの1シーン。
自分の心ひとつで自由自在の変幻自在で楽しめる-----
そんな素敵な大人になりたい。
今はできなくとも、自分の心持ち・選択で日常を楽しめる、そうなりたいという感銘を受けるのです。
そういう”素敵な大人”になるにも、自分の心ひとつでなれなくもないんじゃないかと思わされます。
また、「Navigation48」の灯里が、半人前(シングル)二人でお客様を乗せる渡し舟・トラゲットのエピソード。
そこで出会った三人は、同じ半人前で同じような年代であっても、それぞれに違う思いでそこにいます。
同じコマ割・構図で三人が語り、それぞれが前向きであったり、現状が望んだものであったり、挫折の末に現状に甘んじていたり。
後ろ向きな部分が多い私は、このメガネっ娘に共感せずにいられない。
メガネっ娘なので、余計にポイントが高いです。メガネっ娘好きです。
今の現状が望んだものなのか?
望んだものでないならば、なぜ目標に向かって行動しないのか?
そう言われている気がしてなりません。
「ARIA」を読んだ後は、普段言わないようなことも言えるような気持ちにさせてくれます。
この漫画を存分に楽しむには、素直な気持ちで読むのがオススメ。
私は単純なので、素で影響を受けまくりです。
- 作者: 天野こずえ
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2007/03/30
- メディア: コミック
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