恋愛漫画は身近に感じられる程、面白い - リカってば!(2)



リカってば!(2)/長谷川スズ(Amazon)


恋愛は思い通りにはいかないもの。
甘々でラブラブな話や思わず顔がニヤけるラブコメは良いものですが、上手くいかない片想いの恋話がフィクションとしては一番面白い。
「リカってば!」ではそんな醍醐味が味わえます。



性格は女らしさに欠け、高身長な大女・リカ。
可愛いと言われることが多い小さめな男子・塚田。
会社の同僚でケンカ友達、塚田はリカに片想いという関係の二人が話の中心です。


もうね、2巻のオビが的確に内容を表してます。

『「素直になれたら楽なのに---」』
『「思惑」「駆け引き」「テクニック」どれひとつ持ち合わせない不器用同士。』

恋愛に絡むメインの4人の誰もが「駆け引き」や「テクニック」なんて持たず、悶々と悩み赤面する様が等身大で、読んでいて胸に響く。
身近な人の恋愛を見ているかのよう、というのは言いすぎですがそれくらいに良いのですよ!



リカと塚田以外に二人の男女が絡み、恋愛モノとして面白さを増しています。
やはり恋愛モノは二人よりも三角関係、四角関係。
それ以上の人数だとゴチャゴチャになりがちなので、四人が一番好きですがどうでしょうか。



で、その二人というのが、会社の後輩で女の子らしく可愛いくて塚田に片想いをしている安曇さんと、安曇さんの大学の同級生で安曇さんが好きだったけど失恋、慰めてくれたリカが気になる羽鳥。
リカも塚田も好意をよせられていますが二人とも鈍感で、傍目からは明らかに好き好きオーラが出ている塚田や安曇さんの好意に気付きません。
気付かないが故の意識していない接し方というものがありまして、それがまたヤキモキするものであり、恋愛漫画の醍醐味のひとつですね。


塚田がリカを好きなことはリカ以外の、安曇さんが塚田を好きなことは塚田以外の人ほとんどが知っています。
リカは安曇さんを応援し、安曇さんは塚田がリカを好きなことを知っていて、気付いているかどうかは別としてリカに応援されているという状態。
ふ、不憫や…
安曇さんには幸せになってもらいたいものですが…



そかしながらそんな関係がずっと続くわけもなく。


まず、羽鳥がリカに告白。
酔った勢いで、告白する前には吐いていた、というのがカッコ悪く親近感が持てて良いですね。
付き合うかは別としても告白されて浮かれるリカと、リカが何で上機嫌かわかっていない塚田。



リカとの電話のやりとりが恋人っぽいとか思っている場合じゃないよ!



花火大会で塚田の優しさに触れた安曇さんは、塚田を好きでどうしようもないという自分の気持ちを再認識。
写真に写ったリカにすら勝てないと悟り、堪らず告白-----


リカと塚田も塚田が告白しようとしたタイミングで、リカが羽鳥に告白されたことをリカの口から知り、意地を張ってすれ違い。
こんな先が気になるところで次巻への引きなんて、どんな拷問ですか。



好きあっていても思いが伝わらなければ意味がない、人として好きでも恋愛感情は別モノ。
そんなことを思いながら読んでました。
これ以降はズレが大きくなっていくのでしょうけれど、泥沼化しないかが心配。
3巻が待てないので連載をチェックします。
むしろ、もう本誌を買う。



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