温かさと切なさを併せ持つ父と娘の物語 - マイガール(1)



マイガール(1)/佐原ミズ(Amazon)


表紙買いした漫画ですが、当たりでした。
面白い!
胸にグッとくる作品で、泣きかけましたよ。



主人公の笠間正宗・23歳独身は、5年前に留学で別れた年上の彼女・陽子を忘れられない日々を過ごしてきています。
そこに突然の陽子の訃報-----


悲しみに明け暮れる葬式の後で陽子の母親から、陽子には5つになる娘がおりその父親が正宗だという。
そんな話を信じられるわけもなくその場は去りますがが、後日にコハルという少女に出会う。
コハルは正宗を探しに来た自分の娘で、出されることの無かった陽子からの手紙を持ってきていました。
自分の手紙に返事を出してくれなかった彼女の、言えなかった想い。
それに気付いた時にはもう彼女はいなくて…



見捨てられたと思い込んでいた大切な人を失った正宗と、最愛の母親を亡くしたコハル。
大好きで大切な同じ人を失った二人は一緒に暮らすことに。


23歳でいきなり5歳の娘ができる、しかもその存在はつい最近まで知らなかったということで新生活に苦戦する正宗と、母が大好きだった人を想って行動する5歳のコハルの生活は、切なくも優しいもので胸を打ちます。
一緒にいたい人がいない分だけ余計に、あたたかい。
その優しい気持ちは、周りの人達にも伝わっていきます。



もうね、その優しい雰囲気が良すぎるのですよ。
陽子が死んでしまっているという前提があるだけに、切なさを伴った雰囲気が余計に良いです。
ぎこちなくも少しずつ家族としての時間を過ごしていく正宗とコハルは勿論、娘を引き取ったと知って反対する母親やコハルの友人の両親といった、自分の考えで視野が狭くなってしまっている大人の感情を溶かしていく様に、胸がキュッとあたたかくなります。


気になってしまう点としては、片親で育った5歳児のコハルが良い子過ぎることと、23歳と若く、父親になって日も浅い正宗が非常に良い父親であること。
ご都合主義というか、できすぎな感は否めません。
ただ、それを差し引いてもこの漫画は良いです。
優しい漫画、心温まる漫画を読みたい方にはオススメ。



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マイガール 1 (BUNCH COMICS)

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