タビと道づれ(1)



タビと道づれ(1)/たなかのか(Amazon)


表紙買い&天野こずえ先生のオビで購入。
うん、天野先生がオススメするイメージの通りの雰囲気の漫画です。



トンネルを通っても海を渡ろうとしても、別のところから戻ってしまい出ることができない異常な街。
外界へと抜け出せないその街は、同じ一日が何度も繰り返され、同じ日から出ることもできません。
さらに街の特定の”路”はアリジゴクのように人を飲み込み、通れない”路”が点在する街-----
それがこの「タビと道づれ」の舞台です。



異常に気付かず、繰り返される日の一部になってしまっている住人たちの中において、街の異常に気付き、外に出ようとするも出られないユキタとニシムラさん。
彼らの前に来るはずのない電車が来ます。
その電車には、昔なじみの大切な人に会うためにやって来た少女・キタが乗っていました。


彼女はループする異常な街にはレギュラーな存在で、ループする街に少しずつ変化をもたらします。
ネタバレになるのであまり書けませんが、彼女の手には星型のアザが浮かび、それは特別な力で、街の通れない”路”の一部が通れたり色々と力があります。
ただし、そのアザを持つ人達は他にもいて-----



海に面した田舎の街。繰り返される夏。
そんなどこか懐かしい街の雰囲気は優しいものの、ループし出ることができず、人を飲み込む”路”があるといった現実味の薄い不安定な雰囲気も併せ持っています。
個人的なイメージでは、少しファンタジー要素の入ったアドベンチャーゲームのような印象です。
例えば「Air」とかみたいな。
謎の多い街を少しずつ解明し、行けない場所に行く・街から出る、といった各々の目的の為に行動する様も、アドベンチャーゲームな印象を感じさせる部分かと。



主人公のタビは内向的で自己表現の苦手な少女です。
この特殊な環境化で、ループしているという認識を持っているユキタやニシムラさん達と関わっていくことで前向きになっていく、という成長の部分も見所。



1巻の段階では、世界観や設定の説明的な要素が強いです。
なので展開として物足りない部分はありますが、先が気になる謎・伏線や設定と、作品が持つ良い空気が続きを楽しみにしてくれます。
私、田舎の裏路地とか好きなんですよ。
そういう雰囲気に郷愁を感じる方なら気に入るかも。



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タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)

タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)