ネコミミ4コマ漫画は秀逸な百合漫画でした - スズナリ!(2)



スズナリ!(2)/石見翔子(Amazon)


ネコミミ百合4コマの「スズナリ!」の完結巻、2巻。
良い漫画でした。



女子高生の高村楓の前に突然現れた、自分と同じ顔の少女・鈴。
鈴の耳はネコミミで素性も知れませんが、ラブラブでボケボケな理解ある(?)両親もあって楓の妹として高村家の一員に。
耳を隠して学校に通うことになり、一日中ずっと大好きなおねいちゃんと一緒、な漫画です。



身体能力は猫並、思考能力は子供並な鈴。



鈴はおねいちゃんが大好き。
「お姉ちゃん」ではなく「おねいちゃん」。
鈴のストレートな愛情表現が堪らなく顔がニヤけます。
楓も鈴をあしらいつつも本質的には好意を持った良い姉であり、結果的にイチャイチャしているのが百合的にこれまた堪りません。



二人のイチャイチャぶりと鈴のボケというコメディが主要要素ですが、序盤から所々に「二人の過去の断片」や「鈴が交わした契約」といった、この話の根幹に関わるものが挿入されています。


2巻の後半にはその度合いを増し、シリアスさが増していきます。
楓が受験を控えた頃にそれはピークに達し、鈴が”今の鈴として”楓の前にいられる条件として、「”ある言葉”を楓から言われるまでは一緒にいられる」描写がされていたのですが、終盤で言われてしまいます。


萌え4コマ誌連載、ネコミミという漫画ですが、単なる萌え漫画ではない良い百合漫画なんですよ。



※以下、ネタバレあり


連載時、終了前の数話は別れの伏線がチラホラありました。
最終回2話前には、ついに別れが訪れ、呆然としました。
最終回1話前には、鈴がいない違和感を感じるものの鈴を忘れてしまっていて違和感の正体がわからない、終始そんな状態の回に喪失感と虚無感を覚えたものです。
最終回には、鈴と再開した楓。でも以前の鈴は戻らない。最悪の結末ではないものの、決してハッピーエンドとは言い切れない最終回に切なくなりました。



2巻の書下ろしとして、最終回の後の話として、卒業式のエピソードを収録しています。
新しい道を二人一緒に歩いていく、そんな未来を感じさせるお話。
好きな漫画の終了っていうのもあるんですけどね、それでもやっぱり切ない。



卒業式の夏実のセリフもですが、各タイトルやら至る所にドキッとさせるような伏線があって、印象的な漫画でした。
そのあたり、全話見直して特集記事を書きたいと思います。
7月中には!



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