津田雅美、2年ぶりの新刊! - eensy−weensyモンスター(1)
eensy−weensyモンスター(1)/津田雅美(Amazon)
津田雅美、約2年ぶりの新刊!
待ってましたよ!!!
「のんきでかわいいかんじの話」をかいてみたくて、この漫画を始めたそうです。
主人公・五月七花(なのは)は普通で平凡、コツコツタイプのいい子。
でも、日仏ハーフで高貴な雰囲気の美形・竜崎のばらと、超秀才の佳人・御堂蓮花の二人の超人が幼馴染なため、影が薄いのです。
そんな普通の女の子、七花。
身内に愛されまくりです。
七花と同じ高校に通う男子・常磐葉月。
特になにもしなくとも、勉強はできる、スポーツもできる。
顔が良くて、女の子にチヤホヤされ「王子」と呼ばれている。
モテたい、自分大好きな男。
温厚な七花ですが、葉月を見ると何故か悪意が湧き上がり、豹変したかのように毒を吐きまくり。
そんな自分に自己嫌悪の七花。
そうしてついに、葉月の眼前で悪意に襲われ暴走してしまった七花。
ファーストコンタクトは最悪の二人の行く末は-----?
そんなラブコメです。
「eensy−weensyモンスター」は「とっても小さい怪物」という意味らしいです。
※以下、ネタバレ有
最悪のファーストコンタクトの後、お互いを嫌い合いぶつかり合う二人。
「薄っぺらい自分」という事実を知り、変わっていこうとする葉月。
そんな葉月の心中知らず嫌い続け、傷つけたと自己嫌悪する七花。
さらに関係は転がっていくのです。
ある程度の顔見知りになった段階での、同じ場面を左右のページそれぞれに七花・葉月の視点で描いているパートがあるのですが、その感じていることのギャップが物凄いズレで面白い。
実際は”与えている”側が相当にネガティブで「加害妄想」な思考で、”与えられている”側は相手の行動が何でもプラス考えられるポジティブさという構図。
で、”与えられている”側が”与えている”側に何かをあげられた時、明確に関係が変わっていくという。
人は人との係わり合いで成長していく、というのが見て取れる程の成長が面白いなぁ。
「カレカノ」を読んで感じていたことなんですが津田雅美先生は、家族や友達など”身近な人との関係”を描くのが上手いなぁ、と。
この「eensy−weensyモンスター」では七花と葉月の二人の関係をじっくりと描いている漫画ですが、二人がそれぞれの身内と過ごす場面はそれほど多くのページやコマを使っているワケではないのに、愛されているのが伝わってくる。
私がそういう見方をして読んでいるからなのか、はたまたキャラの個性が強烈だからか。
サブキャラのキャラが立っているんですよね。
作者に愛されて描かれているとすら思うのです。私の中では津田雅美先生はそんなイメージ。
蓮花さまとライライが大好きです。
各話のタイトルに「1月」などといった「何月か」というものが入っています。
で、柱のコメントには「1年間のお話なので次巻で終わります」。
ってええー!?マジですか!
面白いので残念ですが、じっくりと考え込まれた一年分だろうから、連載を楽しみに追いかけていきます。
■関連
○津田雅美のコマ割り分析【ピアノ・ファイア】
単行本を読んでいて気になったのが、明らかに連続したシーンなのにページを跨いだら何かがすっ飛んでいるような印象が何回かあったこと。
バレンタインの下駄箱のシーンなんかは顕著ですね。
これが「ソリッドに個別化されたもの」、「ページまたぎ」という感覚なんでしょうね。
単行本収録分と、手持ちのLaLaの収録分が丁度繋がったので読み直します。
eensy-weensy モンスター (1) (花とゆめCOMICS)
- 作者: 津田雅美
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2007/07/05
- メディア: コミック
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