成長し続けるロボット警官の漫画 - 正義警官モンジュ(4)



正義警官モンジュ(4)/宮下裕樹(Amazon)


正義警官モンジュ」、4巻発売です。
先月に3巻まで揃えて読みました。面白いです。


とりあえず、神谷さんは俺の嫁
メガネっ娘の婦警で、知的なのにアップダウンの激しい性格でヒステリックで情緒不安定気味、欠点がふんだんに描かれている、というのが私のツボにヒットしまくりです。
…歪んでんな、私。



さて、内容ですが、1〜3巻分は今回はダイジェスト気味で。
余裕があれば、別個でやりたかったんですけどね。

対犯罪用汎用兵器部隊「ギンセイプロジェクト」というロボット警官のプロトタイプ・モンジュ。
新型の量産型ギンセイが東京全域に配備完了したことで、モンジュはリストラ。田舎の派出所に飛ばされます。
そこで出会った山岸巡査と住人達との触れ合いを通じて、空回りしつつも少しずつ”人の感情”を学んで成長していくモンジュ。
東京に行った際に出合ったギンセイ開発部の神谷に、神谷が作ったロボット「シンヨウ」と戦い撃破。
その後、神谷はモンジュの調査の命を本庁から受けてモンジュのいる派出所へやってきます。
そして、数年前に警視庁から逃亡したモンジュのプロトタイプ・ピープルとの出会いと別れ。
さらに、モンジュやギンセイプロジェクトを敵対視し、破棄しようとする特殊武装機動隊の三堀の登場。
モンジュの産みの親・柳博士に会いに行く3人だが、柳博士は…


3巻までの展開はこんな感じでした。



この漫画、メインのストーリーも面白いのですが、キモとなっているのは”モンジュの人との触れ合いを通じての学習・成長”と”山岸と神谷の、モンジュを通じての成長”です。


モンジュは、自身で制御不能な”絶対正義”の執行というある種の暴走モードと、過去に人を殺めたかもしれない記憶があり、それが彼を苛む。
先輩ロボットのピープルとの出会いと別れを経験し、山岸と神谷、周囲の人達に支えられ成長を続けるモンジュは、モンジュを通じて周りの人間をも成長させていきます。
実際、いい加減な性格の山岸巡査や、シンヨウが第一のマッドサイエンティスト風だった神谷さんは、モンジュの存在で丸くなってきたというか、多少は前向きになってきたと思うんだ。


過去に暗いものを持ち、欠点があるのはモンジュだけではありません。
山岸巡査や神谷さんも暗い過去を持ち、欠点がある人物です。
というか、それぞれ長所よりも、欠点の方が明らかに多く描かれているのが親近感が持てて良いですね。
山岸巡査と神谷さんの言い争いは日常茶飯事なのですが、それを見たモンジュたちが呆れていたり不安になったりという描写が沢山。
人間、長所ばかりでなく、短所も見せてくれた方が魅力的に見えるものです。


シリアスなメインストーリーの合間に、クールダウンできる日常的な話が入るのも良いなぁ。
基本的にギャグな話でキャラのアレさ加減に親近感を覚えるとともに、魅力がアップ。
シリアスな話が、結構グッとくるものだけにそのギャップが堪らない。



4巻は神谷さんメインの巻といえるもので、個人的には嬉しいなぁ。


柳博士のところで発見された赤いプロトタイプの調査に東京に戻った神谷さんを待っていたのは、二人の部下・近接戦のエキスパートの里緒と、神谷さんと同じくギンセイ開発に携わっている葉月。
以前と変わってしまった神谷さんを取られたと感じた二人は、二人で直したシンヨウとともにモンジュたちをぶちのめしに行きます。
神谷さんがいい方に変わっているのが、改めて見れてニヤニヤしてましたよ。
問題のある人物を二人新たに加え、神谷さんの掘り下げがされています。


それにしても、シンヨウ関連のシリアスさと3巻で発覚したアレとのギャップが堪らないなぁ。神谷さん好きです。
すっぴんで眉毛が無い神谷さんと、合コンで男に恐怖を植え付けた神谷さんに惚れ直しました。
神谷さんは俺の嫁



今回の記事、読み返すとキャラの話がほとんどで酷いなぁ。
それだけ、キャラに魅力があるということでひとつ。



正義警官モンジュ 4 (サンデーGXコミックス)

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