秋の夜空と広がる天文部活動 - 宙のまにまに(3)



宙のまにまに(3)/柏原麻美(Amazon)


天体観測したくなる、星への想いが詰まった漫画「宙のまにまに」の3巻です。
文化部のゆったりとした感じに、キャラ達のアグレッシヴさが良い感じ。
3巻はドタバタの文化祭に月見、他校との観測会を収録。



3巻は、2巻から引き続いての文化祭に向けての準備から。
朔と美星に姫で三角関係気味なところに、小さい頃の美星を知る相馬先生の赴任。
思わず文芸部の手伝いもすると言ってしまった朔は、美星と距離を取ってしまってます。
そんな状態でも、朔と美星の勘違いされた噂話のお約束は抑えつつ、自分のいなかった時間に寂しさを覚える朔が切ない。
で、避けてしまっていた天文部へ朔が足を向けるきっかけは、美星じゃなくて姫、と。
姫はいい娘すぎる。私は姫を応援してますよ!


さてさて、文化祭そのもの、出し物ですが、手作り感が良いなぁ。
天文部の出し物は手作りプラネタリウム
ボールの穴あけ作業に段ボールのドームの制作風景の描写は僅かですが、完成したプラネタリウムが星の光を放つ場面に、読んでるこちらも達成感のようなものを感じましたよ。
クラスであまり目立たなかった娘が、激動の文化祭準備と当日が明けて株が急上昇するというのは凄い身近に感じる。
ウチもあった気がするなぁ。



物語上のイベント事だけじゃなく、星の観測の面で季節のイベントを抑えているのが星への愛に溢れていて好きです。
そんな秋の月見。
ゆったりした空気感と、知らなかった知識が心地よいものです。
あと小夜の親父、気持ちはわかるが自重。



そして、野木城高校天文部から「県内高校天文ネットワーク」略して「高天ネット」のお誘い。
「高天ネット」の話が3巻のメインの見所だと言ってもいいと思う。
4校交えての観測会は、物凄く充実した機材に、知識の深い星猛者に圧倒されて始まりますが、そこは星好きの集まり。
充実した観測会で、星を見ない私でもこういう星見は羨ましいなぁ。


高天ネットで他校を交えて、ということで新キャラが登場。
女性陣がやっぱり良いキャラしてます、この漫画。
ミステリアスな雰囲気を持つ近江部長が、おまけ漫画ともども良すぎる。見せ場があった我らが蒼栄高校の部長だけど、突然口から血を出されたらトラウマになりかねないと思うんだ。


姫にちょっかいを出す野木城の武佐、コンセプト通りにイライラして読んでましたよ(笑
この一連のやりとりでも、やっぱり姫には幸せになって欲しいと改めて思いました。



男だらけの班で抜け殻のような江戸川が哀れ。
でも、兄妹的に江戸川は勝ち組だと思うんだ。



■関連

宙のまにまに3巻発売 「文化祭は大盛況 次は他校と天体観測!秋の星はロマンスがいっぱい」。せなか:オタロードBlog


宙のまにまに(3) (アフタヌーンKC)

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