百合漫画における男キャラの立ち位置

「魔法使いのたまごたち」の3巻を買おうと思っていたんだけど講談社のコミックスの発売日をメモし間違えていて絶望したのと、今月のコミックハイ!の「GIRL FRIENDS」が素晴らしすぎてニヤリングが止まりませんでした。
そういうワケで、週末に書こうと思っていた記事なのですが、勢いで書いてみた。


百合漫画に男キャラは必要か?


えーと、ガチな百合漫画や百合がテーマになっている漫画、百合要素の強い漫画において男キャラは必要かどうか。


個人的には、不要です。


これは「百合を楽しむ読み方として、不要」であって、漫画そのものの面白さとは別です。



百合好きには「男キャラが出ると不安」と感じる人もいます。
私もそうです。
この”不安”は「ハラハラドキドキ」といった系統の不安ではなく、恐怖や絶望に対する不安に近いはず。


この不安をわかりやすく例えると…

主人公とヒロインの話を描く恋愛漫画において、読者受けの悪い男キャラにヒロインが犯られるorヒロインが掻っ攫われる可能性


ヘテロ展開の恋愛漫画で例えるとこんな感じでしょうか。


つまり、女の子同士の関係を愛でる百合漫画において、百合的なハッピーENDを阻害する可能性をもたらすのが男キャラの存在だといえます。
もちろん男キャラの立ち位置にも様々なパターンがあるので、その辺りを考えてみようかと。


女装とTSに関しては、また後日に別で書きます。入れるとやたら長くなると思うので。


女性A→女性B、女性B→男性


女性Aが女性Bに好意を抱いていて、女性Bが男性に恋をしているので、想いを伝える・伝えないに関わらず悲恋に終わる。
短編などでよく見られるパターン。百合姫でも割りとあります。
コレ、女性Aの視点で描いてあれば百合ですが、女性Bや男性視点だとちょっと変わったサブキャラのいる恋愛漫画ですね。
短編でサクッと叶わない恋を描くならいいのですが、長編でこれをやられると絶叫せざるを得ない。


女性A→女性B、男性→女性B


女性Bは二人から好かれていて、本人は二人とも友達だと思っている。
大抵、女性B視点で描かれる気がするのですが、その場合、二人からの想いと三人の関係に色々と葛藤しつつ、ヘテロENDかな?
視点が女性Aの漫画の場合は、百合ENDが期待できそう。
でも男とくっ付く気がする。


女性Aと女性Bはお互いに相手を意識しあっている関係


ライバルとも友情ともいえるような愛憎を描いた漫画や、シリアスに友情以上の感情を描いた漫画にあるパターン。
これが個人的に一番危険なパターンだと思う。
このパターンにおける男キャラは「女性Aの婚約者・許婚」だったり、行きずりの男だったり。


危険なパターンだと言ったのは、「百合ENDに落ち着くのに、途中で片方のキャラが男とセックスする」ことがあるから。
処女だった日にはもう!


ヤる理由が、「相手へのあてつけ」だったり「(女性Aが)女性B(男性経験アリ)の気持ちを知りたいから」だったり。
魚喃キリコ「blue」江平洋巳「白いバラの乙女」なんかがそう。
漫画としての面白さは別として、何か呆然としてしまうのでした。


女性Aが男を捨てて、女性Bとくっ付く


女同士で両想いになる場合、男キャラはDQNな傾向があるような。
初めだけ出てくる場合とチョコチョコ出てくる場合があって、噛ませ犬になるパターンと、女性Aが男とヨリを戻す終わり方があるので注意が必要か。


小野塚カホリ「愛い奴」の途中までとか、桜沢エリカ「シーツの隙間」とかがこれにあたると思う。


男がガチホモ


マリみて柏木優とか。
このパターンだと、男が女に興味がないので一見安心ですが、「女性キャラが男キャラがガチホモだと知らずに惚れる可能性」を危惧してしまう私は心配性過ぎでしょうか。


やまじえびね「LOVE MY LIFE」のように同性愛者しか出てこないなら安心ですね。


男が噛ませ犬


男キャラが、女同士の絆を深める噛ませ犬。
これはこれでいいものです。


が、噛ませ犬で終わらずに強姦とかされた日には、泣く。
滅多にないけど。
そこまでいかなくとも、キスでも嫌なんだけど如何か。


先月の森永みるくの「GIRL FRIENDS」の展開で不安になっていたのですが、今月掲載分で狂喜乱舞。
ニヤリングが止まりません。さすが森永みるく先生だぜ!
完全なる噛ませ犬で終わった場合には加速材料になるよなぁ。


男女複数


これは普通の恋愛漫画ですね。


ただ、特殊パターンとして「魔法使いのたまごたち」のように「女性二人の組が複数、一人が実は男」というようなものがあったり。


あとは、「メインは百合で、サブキャラに入り込めないくらいラブラブな男女のカップル」というような百合漫画が想定できます。
なんかほのぼのしてそうだな、これ。


男が空気


文字通り男キャラが空気キャラだったり、「さくらの境」のように「ささちゃんと三坂くんに恋愛感情が芽生えそうな気がしないでもないけど、三坂くんは猫に夢中。ささちゃんはふたちゃんとイチャイチャ」とか。
これは安心ですね。


女性Aがバイ


いやもう、百合じゃない気がする。
で、女性Bが女性Aにベタ惚れだと泣ける。「パパイヤ軍団★」とか。


「トランジスタにヴィーナス」のイーナスみたいに「可愛い女の子と可愛いショタ」がストライクゾーン設定だと許容できるのは何故だろう。
でも、イーナスは大人の男性に片想いしてるんだけどなぁ。
百合とは違うところで楽しんで読んでるのかも。


結論


他にもあると思いますが、とりあえずこれで。
上の方でも書きましたが、女装とTSはまた別で書きます。


とりあえず、百合漫画で男キャラは「百合展開を阻む不安要素」ということで。