倒錯しまくっているだけでなく、深い漫画だと思うんだ。　-　BLUE DROP〜天使の僕ら〜(1)

おつかれちんちーん！！

チャンピオンREDに連載中の倒錯しまくった漫画の第1巻がついに発売されましたね。
チャンピオンRED版・BLUE DROP、『天使の僕ら』です。

以前発売された吉富先生の作品集である「メディアワークス版・BLUE DROP」と世界観を同じくする漫画で、異星人・アルメ、懐かしさを感じる荒廃した風景…
終末感はメディアワークス版に比べて薄い感じがします。
メディアワークス版を読んでおくと、双方の作品で世界観へのイメージが補完できるので押さえておくと良いです。

「BLUE DROP」は”性”の取り扱いが特殊な漫画。

異星人であるアルメは女性のみで繁殖する種族で、自然な繁殖の為に地球へやってきて地球を支配し女の子とくっ付いたりしています。
そんなワケで、メディアワークス版はかなり百合百合しており好きな作品のひとつです。

で、そんな状況になって男の子はどうなったか。
”第3の性”であるアルメにより、女の子はアルメとくっ付くという、性的に狂わされた状況。
残された男の子は男の子で、性的に楽しむように。
そしてアルメにより、「男の子を女の子に改造し男の子とSEXさせ子を産ませる」実験がされるのでした。

その改造された女の子がヒロイン（？）のケンゾーであり、ケンゾーとSEXすることになった男の子が主人公のショータ。
1週間以内にSEXしないと、ショータはアルメに殺される条件付。

バックグラウンドや根底に流れている世界観はかなりシリアス。
…ですが、バカな描写も多く倒錯しまくっている今作は、まずは変態漫画として楽しむのが正解でしょう。
初見は変態漫画、徐々に世界観にハマっていけば良いと思います。

「男の子を女の子に改造、出産させる」という設定からして相当にぶっとんでいるのですが、中身は男の子。
男同士でSEXできるワケがありません。
そういうわけでケンゾーはショータに女装させます。
これが、ショータが『天使の僕ら』で一番可愛いと思えてしまうから困る。個人的にですが、女性含めても。
「性転換させられた男の子×女装少年」という構図。

「男同士でSEXできるわけがない」というケンゾーに対し、身も心も男でありながら男同士でSEXや性的に楽しんでいる男の子がいるのも事実。
それが「オトコ通り（ストリート）」。
「女の子をアルメにとられたから」というセリフ、女装している男の子も多い、という点から元々ガチホモではないんですよね。
女の子ともヤりたがっていますし。
単純にネタで男同士、というわけではなさそうなのが深いと思います。
でも、ガチで男の子が好きになっている男の子もいます。この状況なら自然か。

一方で、女の子はアルメにメロメロで「アルメ通り（ストリート）」で女だらけの乱交パーティー。
もちろん、アルメ通りは男子禁制。
アルメは現状は女性体のみで、女性だけで繁殖ができるからか、男を嫌っています。
「男が子供を産ますくらいなら、私らが先に妊娠させてやる」とか。
これって、「アルメvs男性」の戦争の縮図といえるんじゃなかろうか。

ショータの幼馴染のコトコはショータが好きだけど、アルメのせいで男がダメになってしまっており、ケンゾーを絡めた三角関係もこの漫画のポイントのひとつですね。
先を考えずに描いているらしく、現状でもかなりカオスですし先が楽しみです。
しかし、やっぱり性観念がかなり歪んだ漫画だなぁ。

この単行本には、チャンピオンREDいちごに掲載された百合漫画「天使の悪戯」も収録。
これは良い百合。

トモちゃんはミサキちゃんに告白。
でもミサキちゃんは笠木先輩が好き。笠木先輩はアルメ。
トモちゃんの告白を聞いていた笠木先輩はミサキちゃんに迫るのですが、「こんなの違う」とミサキちゃんは笠木先輩を拒絶。
トモちゃんの好きを選ぶ。

そんな漫画です。
この漫画が良いのは、笠木先輩が即・SEXで性を優先しているのに対し、一度フラれたトモちゃんも、自分の”好き”よりもトモちゃんの”好き”を選んだミサキちゃんも地球人の女の子は心ありきだと読み取れること。
やはり、百合は心ありきなのですよ！

この漫画も「BLUE DROP」であり、アルメと地球人の考え方の違いを表しているのかもしれませんね。
あとはフィクション的な百合とレズの違いが、地球人とアルメに感じられました。

○BLUE DROP〜天使の僕ら〜１巻　「ちょｗｗｗ　開始２言目でこの単語！？」【アキバBlog】

○R　A　K　U　G　A　K　I　ｰ　３　X
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