熱すぎる女子バレー漫画なのです。 - 少女ファイト(3)



少女ファイト(3)/日本橋ヨヲコ(Amazon)


熱い、熱いぜ!


この漫画は物凄く面白い女子バレー漫画です。
プレー中の熱さはもちろん、決意や内に秘めた感情が静かに熱い。
この漫画は熱を持っていると思う。



小学生の頃に「狂犬」と呼ばれるほどのプレーヤーだった大石練は、バレーの名門・白雲山学園にいながら中学生の間ずっと自分のプレーを封印していました。
小学生時代に自分のプレーでチームメイトを傷つけていたと知り、中学生では補欠の練。
そして、練にとって因縁浅からぬ黒曜谷高校バレー部にスカウトされ入学。
黒曜谷バレー部に入り、本格的に物語は動き始めます。



もうね、熱いんですよ。あらゆるところが。
オビのセリフをはじめとした、セリフの数々が熱い。
中学時代に在籍していた白雲山バレー部で練が出場した試合でイザコザがあり、白雲山を去って黒曜谷に入ったという、昔のチームメイトとの敵対関係になってしまった設定が熱い。
練にとって因縁のある黒曜谷バレー部にスカウトされ、入部を決意するまでの展開が熱い。
練のトラウマともいえる小学時代と、それを知る者が同じ高校にいて、直接トラウマとなる事件に関わった人達がチラホラと出てくるのが熱い。



高校に入ってからの展開はもう言わずもがなです。熱い。


黒曜谷バレー部はユニフォームの色が黒というのもあるのですが、「黒曜谷を追い出されたら他に行くところがない」という部員など、そのイメージはどうみてもヒール(悪役)側であり、「主人公チームのイメージがヒール」というのはスポーツ漫画の王道のひとつだと思います。
そんなチームだからこそ、無意識に自分勝手にプレーしてしまう練に「全力でプレーしろ」と言えるし、他の部員も遠慮がない。
だから部員個人個人が本気で動き、魅力が出てくるというものです。



では、3巻の感想を。


バレー部員のナオが違法な賭けバレーに参加していると聞いて、会場に潜入するバレー部一年生。
そこでナオを見つけ、賭けバレーを辞めさせる為に一般参加のイベント戦に参加。(賭けバレーのチームが一般参加チームに負けたら即解散というルール)
練は相手チームに小学生時代のチームメイトを見つけ動揺。さらに何故か相手チームに二年生が交代で出てくると事態に。
初めての校外での試合が実質「一年生vs二年生」になっているのが、まだまだ黒曜谷バレー部の成長と内部を見せる段階だということなんだろうなぁ。
そこに練とトラウマの原因の一人を絡めるあたりが良いですね。



練の同級生で幼馴染にミチルという男子がいまして、彼の隠している出来事が描かれるのですが、このあたりの展開がまた見物。


練に隠していることがバレると自分だけでなく色々な関係が壊れるレベルのことで、それを隠し通す為に、練・ミチルと小学校が同じだった学とミチルは付き合うことにします。
ミチル×学はニヤニヤものです。
全てを理解した上で最良の方法を取る学がいい娘すぎる。
現状では黒曜谷のメンツの誰にとっても最良ですが、隠している事の一端を握る唯貴子(白雲山に転入)絡みで波乱が起きるのが容易に予想できるだけに、どうなるか不安であり楽しみでもあります。
唯貴子が結構、何を考えているかわからなくて不気味だな。まだあまり描かれていないキャラだから当然かもしれないけど。



で、練は学にもミチルにも他のキャラの多くにも愛されてますね。
(以下、妄想)
練は総受けだと思う。
でも、トラウマを持ったキャラが攻めという関係も良いのです。
「練×学」でも「学×練」でも萌えます。
ルミコは総攻め。


なんというか、百合カップリングを含めて、カップリング妄想をしてしまう漫画だなぁ。
いや、漫画として凄く面白いのは確かなのですよ。



■関連
週刊日本橋ヨヲコ
日本橋ヨヲコ先生公式サイト


少女ファイト(3) (KCデラックス イブニング)

少女ファイト(3) (KCデラックス イブニング)