最大級の癒し漫画。11巻はアリスの話が神回です。 - ARIA(11)



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「ARIA」は私にとって最大級の心の清涼剤です。


キラキラと輝く水面、懐かしくもあり幻想的な面を持つネオ・ヴェネツィアの街並み、毎回用意されている美しい見開きページ、純粋で前向きで透明な話。
そのどれもが心の琴線に触れ、擦り切れて荒んだ心を癒し、日々に忙殺されて忘れてしまいがちな純粋な気持ちを思い出させてくれます。


キレイ言にすぎないと言ってしまえばそうかもしれませんが、キレイ言だととらず、真っ直ぐ素直に受け取って感動できる気持ちを持ち続けていきたいものです。
何事もポジティブに楽しめたらそれが一番だと思うのですよ。



この漫画は、地球の水の都・ヴェネツィアから移築された火星のネオ・ヴェネツィアを舞台に、水先案内人(ウンディーネ)の少女たちの日々を描いたヒーリング漫画。
癒されます。


でまぁ、今巻も泣いてしまったワケで。
なんでしょうね、歳をとるにつれてこういった純粋な気持ちは忘れがちで、でも心のガードが緩くなっていて涙腺も緩い。
こういう癒しや、はたまたノスタルジィを感じる漫画に弱くなりました。
でも素直に感動して楽しめるようになったのは良いことですね。


11巻、感想


今巻収録は、天才とそうでない自分が持つ悩みについて藍華と晃の過去を絡めた話、かつてヴェネツィアで行われていた祭「海との結婚」のネオ・ヴェネツィア版、灯里とケット・シーの話、灯里とアリア社長の休暇、アリスの試験の話。


どれも、一番の見せ場である見開きページまでの盛り上げ方が上手くて、見開きページでグワッときますね。
私なんかは、見開きの度に涙でそうになるのでした。



・51話「クローバー」


二人の天才に比べ自分が持たざる凡才であることから、焦燥感にかられ友人の前でぎこちなくなってしまった晃の過去の話。
これは誰にでもあるであろう「自分には何も無い」という感覚に通ずる話。
「ないものは付け足せばいい」ということで努力で補っているのですが、別の方法として仲間と協力することにもいえるんじゃないかな。
「ないから消沈し、結果として諦めてしまう」前に見方を変えてみよう、ということだと受け取りました。



・53話「ケット・シー」


七不思議を全て体験してしまうと大変なことが起こる、っていうのは何だろうと考えてました。
やっぱり、「もう会えなくなること」かな?
でも、普通に会うこともできないし、どうしようもない気もするなぁ。回避できる気がしない。
心の中で会えるのは「ケット・シー=過ぎ去っていった日々」ということでしょうね。



・55話「黄昏時」


そして、何よりこの巻はアリスがメインの55話が神回。
元よりでっかい重要な話ですが、アリスちゃんがでっかい好きなので余計に良い話です。


ミドルスクールを卒業し、灯里と藍華と一人前(プリマ)を目指して修行に専念できるようになったアリス。
やる気十分なアリスはアテナにピクニックに誘われてゴンドラを漕ぐのですが…
そう、両手袋(ペア)から片手袋(シングル)への試験なのです。


灯里がアリシアさんを乗せて漕いだルートと同じもので、その時の様子を読んでいる読者視点としては、なんとなく先輩・保護者の立場から慈しむような懐かしい感じで読んでました。
52話の式典で両手袋としてのアリスを見ているだけに、余計にくるものがある話です。


アテナとの舟謳の話からの展開、清々しく謳うアリスを見て涙が出ました。
さらにその後の衝撃の展開にまたホロリ。
いい話でしたよ。



やっぱり、「ARIA」は良い漫画です。
そういえば、アリシアさんは誰に指輪を貰ったんだろうか。アリア社長



※追記
55話でジーンときて、その次のあとがきが切なすぎてまた目から汗が…
このあとがきの内容は私の心の片隅に残るはず。だから、書き忘れていたけど思い出して、追記しています。


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