仕事への前向きな姿勢と百合な雰囲気が良い4コマ - みそララ(1)



みそララ(1)/宮原るり(Amazon)


宮原るり先生の新刊「みそララ」の1巻が発売になりましたよ。


この漫画は、ある会社を舞台にしたまんがタイム系の4コマ漫画らしい、ゆるくて可愛くて真っ直ぐな良さを持った4コマ。
和む上に「頑張ろう!」と思わされる良い4コマで、私にとって心の清涼剤のひとつです。



中小企業の商社に事務OLとして勤め、平凡な毎日に刺激が欲しいと感じていた麦田美苑が主人公。
美苑が勤めていた商社がいきなり倒産して、自分のやりたいことがわからなくなった時に見つけたのはデザイン会社の「マース企画」。
経験はないけれど文章や絵が好きでデザインの仕事に興味があった美苑は、経理事務を募集していたマース企画に思い切って応募し、経理の仕事をしつつデザインの勉強も少しずつしていければと面接を受けます。
マース企画の社長は変人で即採用が決まり、他の職員もマイペースな変な人ばかり。


そんな個性豊かな仲間とのコミュニケーションと、初めての経験を一所懸命に頑張る女の子の4コマ。
良いです。
そして4色カラーを含むオールカラーです。


個性的なキャラたち


転職したての新人の主人公・美苑の他のキャラは個性的。


キツイ言葉でクールに見えるけど熱血だったり照れ屋だったりするデザイナーの米原梨絵。
体育会系でどこか抜けている営業・粟屋真琴。
取引先では猫被り、普段はクールで人に勝手に仇名をつける営業の梶浦さん。
イラストレーターでシスコン、際立った変人の棚橋さん。
ダントツの営業成績で、真琴の一回り年上のやり手女性職員の大島さん。
優しくいつもニコニコ、仕事もできるマース企画一の常識人(?)の秋山チーフ。
デザインはさっぱりだが人を見る目はある見た目からして変人の社長。


ドジも多く結構イジられることも多い美苑と、こんな面々のコメディ4コマです。
小さい会社なので本来の仕事以外の部分、デザイン・イラスト・文も一人でやらなくてはならないこともあり、美苑以外もアタフタすることがあるのが良いですね。



転職したてで不慣れな美苑が少しずつ仕事を覚えて、ライターの仕事も回して貰えるようになったりと、情熱を持って仕事に向き合い成長していく様を見るのは気持ちがいいものです。
また、職場関係も徐々に慣れていって微笑ましいコミュニケーションが展開され、良質な4コマ漫画に感じる”モラトリアムを感じる職場”の風景は醍醐味といえるでしょう。


美苑と、先輩である梨絵の百合な雰囲気が堪りません


特に、デザイン関係の経験も勉強もなしで入社してきた美苑に、キツイ言動で対応していた隣の席の米原梨絵との関係が良いです。
ニヤリングが止まりませんよ。
百合オタの私が百合妄想を誘発させられるレベルの展開でニヤニヤします。(百合オタで申し訳ない)


初めはキツい対応をしていた梨絵ですが、ひたむきで真っ直ぐな情熱で仕事に向かう姿勢や考え方の美苑を見て、段々と柔らかい対応になっていきます。
そして大島さんの登場で、頑張っている美苑を褒めてあげたことがないと気づきつつも、照れ屋で素直に褒めれないことが描写されてニヤリングですよ!
ニヤニヤ展開は止まらず次の飲み会の話では、酔って豹変した美苑・梨絵は色々とさらけ出し、真琴を入れた3人で飲み明かしグッと距離が縮まるのです。


キツイ性格ながら、照れ屋で内心は美苑のことを一番心配している梨絵(何となく、ツンデレという表現はしたくないのは何故だろう)。
美苑も、飲み会前から少しずつズケズケと梨絵に物を言うようになっていましたが、完全に仲が良くなってからは格段に親密なやり取りが増えてニヤニヤですよ。
その親友っぷりが堪りません。



美苑のドジには腹を抱えて笑えたり、仕事に対する姿勢に感銘を受けたりもしました。
良い4コマの醍醐味を持っている漫画です。
オススメ。まんがホームの「恋愛ラボ」も良いですよ。