完結。だが心情としては”第一部完”と思いたい。 - 皇国の守護者(5)
皇国の守護者、完結巻。
真相はわかりませんが大人の事情からか、突如終了してしまった作品だけに読み終えて寂しさや切なさ、喪失感を感じます。
物凄く面白い漫画なので余計に。
突如の連載終了に「原作付きの漫画って難しいんだな」と改めて思いました。
さて、5巻の感想を。
人と龍の間に結ばれた「大協約」を根幹とする架空の世界を舞台とし、日本にあたる島国「皇国」と、皇国の北領に侵攻してきた「帝国」の争いを描いた作品。
北領から撤退する味方の大部隊を無事逃がすため、新城直衛率いる第十一大隊は帝国軍を足止めする。
不利な戦況において、新城の指揮で任務を完遂。
大協約に基づき降伏、新城と生き残った部下は俘虜となるところまでが全巻のあらすじ。
降伏後の話なので、冒頭の少しを除けば戦闘はありません。大協約に基づき、俘虜となり解放されるまでの出来事。
帝国軍参謀、そして元帥の東方辺境領姫・ユーリアと会談する新城。戦いは戦場だけじゃないのですよ。
歴史や伝統が行ってきた「誇り」ある死よりも兵を救う、と語る新城は熱い。
今まで戦場で見せていたように、三白眼で歪んだ口元のその表情は怖ろしく感じますが、最早それすら頼もしく感じます。
彼には仲間を想い生かしたいという熱さがあったのを私は忘れない。
その新城と考え方が合わない帝国軍人ですが、誇りと義理に厚くてカッコイイですね。
特にメレンティン大佐とロボフ軍曹、そしてバルクホルン大尉が。
俘虜解放の際の、帝国軍人と皇国軍人の剣虎兵への対応の差が際立ってましたし。
帝国軍人がさりげなくカッコ良すぎですよ!
敵の方が戦友として敬意を払っているというカッコ良さ。いいですね。
ユーリアとの席も熱かった。
とはいえ、あそこはユーリアのメイド服が良くてですね。全身像でもっと映えるコマがあっても良かったと思いました。
新城と蓮乃の過去を描いた上でのラストが素晴らしすぎで、笹島中佐や天龍に貸しを作ったり、昇進して上の思惑に巻き込まれたりと、この後が面白くなると感じられる終わり方。
原作は読んでいないのですが、まだプロローグが終わっただけに感じられるくらい壮大で引き込まれる物語。
もう本当これからって所で終了なんて、惜しすぎる。
数年後でいいのでどこかで第二部を開始してくれないか、と祈るばかりです。
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○皇国の守護者 5巻(完) 俘虜になれど眼光衰えない新城!【大炎上】
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