家での食事が一番美味しい - きのう何食べた?(1)



きのう何食べた?(1)/よしながふみ(Amazon)


モーニング月一連載の「きのう何食べた?」の1巻が発売です。
本誌でやっぱり「単行本本日発売」とあって、思わずニヤリとしました。
カバーからカバー下の献立名が透けて見える装丁が良いです。



1話目の1コマ目から「ねえねえ昨日の夕飯何食べた?」から始まるこの漫画。
ハンサムな弁護士・筧史朗(43)は、詳細に昨日の夕飯の献立を回答。
この漫画は主人公2人の食もポイントとなっていて面白い漫画です。


筧史朗は43歳独身の弁護士で、料理が上手い。
彼には同居人がおり、その同居人は美容師の矢吹賢二(41)。いや、同居というよりも同棲です。
そう、2人は恋人同士でゲイなのです。


主人公の2人はゲイなのですが凄く自然なんですよね、この漫画。
きちっと栄養や彩りのバランスを考えた献立と、手順を追って作れられる食事に生活感が凄く滲み出ており、そういう生活感があるから自然に見えるんだと思います。
料理をしているシーンはネームも多く、ページも使っていますが、これがあるからこそのこの漫画ですし、何より美味しそう。


2人がゲイだと解っている人達の反応は軽蔑した冷ややかなものではなく、普通に接しているのも良く、もうよしなが先生の手腕ですね。
同性愛が特別なこととは感じられず、自然に感じます。
もちろん、ゲイをネタにした話もあり、史朗本人は職場ではゲイであることを隠していますし、史朗の身内は普通の接し方はできないのはありますが。


史朗と賢二の生活の他に、それぞれの職場や友人・知人との話がありそれ単体でも面白い。
家と外との両方の生活を、一緒に住む2人の食生活をキッチリ描くことで繋げているのが良いですね。



きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)