フジリューのノリと和製ホラーの雰囲気が共存した漫画版「屍鬼」



ジャンプスクエア 2008年1月号(Amazon)


ジャンプSQ.(スクエア)の第2号が発売されました。
第2号の目玉は小野不由美×藤崎竜の新連載「屍鬼」と、荒木先生の読み切り「岸辺露伴は動かない-六壁坂-」。
今回は、個人的にスクエアでの一番の楽しみである「屍鬼」の感想を。


屍鬼 / 藤崎竜 原作:小野不由美

小野不由美主上の原作小説「屍鬼」の漫画版をフジリューが描くと告知があってからというもの、このスクエア第2号が楽しみでしたよ。


「PSYCHO+」も好きでしたし、「封神演義」にハマった人としてはこの「屍鬼」に期待せざるを得ません。
20代のジャンプ好きには私と同じように期待している人も多いのではないでしょうか。
とはいえ「封神演義」では原作との相違点も多く見られたので、今回の「屍鬼」ではどうなるのかという気持ちもありましたし、1話が掲載された今でも今後の展開が気になります。



原作の「屍鬼」は、周りを山に囲まれ外界と隔たれた村を舞台にした和製ホラー。
漫画版の「屍鬼」は結構雰囲気が出ていて良いと思います。
私は途中まで読んで止まっているのでアレですが。


登場人物の髪型や色などキャラクターデザインは紛れも無くフジリューのそれで、作品舞台の説明は都会に憧れる少女・清水恵のフジリュー節ともいえる語りで行われるものの、雰囲気が出ているんですよね。
それは舞台となる村の自然がしっかりと描かれ、また不確かさを感じる背景演出や、老人などメインキャラ以外の人物がリアルよりな描かれ方をしていることから和製ホラーとしての雰囲気を感じる。
フジリュー節で描かれたメインキャラと、原作の雰囲気を醸し出す脇役や背景演出の、異なるふたつの絵柄が妙にマッチしています。
不確かでおどろおどろしいものが不気味に描かれているのも良いですね。


しかしこの漫画は間違うこと無きフジリューの漫画。
ノリがもうフジリューのノリで読んでいて楽しい楽しい。
田中かおりの飼い犬の造型は思いっきりフジリューのアレでバカらしい可愛さがありますし、大川富雄が物凄く熱い親父で良いですね。



本当、読むのが楽しい漫画で次号が待ち遠しいなぁ。
個人的には次号が出る前によみかけの原作を読了しておきたいところです。


ジャンプ SQ. (スクエア) 2008年 01月号 [雑誌]

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