友達になって親友になって、そして恋心へ - GIRL FRIENDS(1)



GIRL FRIENDS(1)/森永みるく(Amazon)


コミックハイ!」で隔月連載されている森永みるく先生の「GIRL FRIENDS」、待望の単行本が発売されましたよ!
森永みるく先生は良い百合を描く作家さんで大好きです。私内では至高の百合のひとつと言えます。
やっぱりみるくたんの百合はやばい。ニヤニヤが…ニヤニヤが止まらんっ…!
これで年内は戦えます。ありがとう、ありがとう。



この漫画の主人公の熊倉真理子は、地味で人見知りする大人しい娘。ファッションにも、流行にも、遊びにも疎い少女です。
二学期のある日、それまで話したこともなかったクラスメイト・大橋亜希子(あっこ)に話かけられます。
初めての会話なのに「まりちゃん」と呼び、なれなれしくも屈託のない笑顔を向けるあっこに連れられて初めて寄り道する、まり。
半ば強引に一緒に髪を切りに行くことになり、「綺麗な髪なのに」と言ってくれて自身も可愛いあっこが似合うと言ってくれた髪型にするまり。
できあがったショートカットを見て「変かも」と思ったまりに、満面の笑顔で「可愛い」と抱きつくあっこ。
「図々しくてなれなれしい」印象のクラスメイトから友達へ。2人の距離はグッと縮まるのです。身体も心も。



この漫画はタイトルの通り「女の子同士の友情」を描いた漫画。
しかしながら、作者は素晴らしい百合を描く作家・森永みるく先生であり、百合になるのが予想され初期からそういう要素はふんだんに盛り込まれています。
そして、あとがきには「ゆり」と「恋心」の単語。これはもう百合漫画として断言したい。
そう考えるとこの漫画は、「ただのクラスメイトから友達、親友、そして恋愛へとステップアップしていく」過程を描く漫画に見えます。いや、多分そうでしょう。
徐々に仲良くなって親密になってかけがえのない関係、恋心が育まれて進展していく様を見るのはこの上ないものです。



あっこと仲良くなったことで今まで知らなかった新しい世界が広がり、自分自身も変わっていける。そんなまりが凄く可愛い。
「なれなれしい」という第一印象も、屈託がなく無邪気な好意とともに距離を縮められるあっこの長所の側面にすぎません。
片思いのごとく「まりちゃんとずっと友達になりたがっていた」あっこは勿論のこと、友達になって仲良くなって恋心にも似た感情を抱き始めるまりも、2人とも可愛いよ!



一緒にダイエットして苦労も喜びも共有し、あっこの前からの友達からも「あっこの親友はまりちんじゃん?」といわれるくらいに仲良くなった2人の関係にニヤニヤせざるを得ません。
距離が縮まる過程、特にそれが目に見えてわかる瞬間がもの凄い良いのですよ!
「まりちゃん」から「まり」へと呼び捨てになった瞬間は、悶えすぎて転がるしかなかったくらいです。



一番と言えるくらい仲良くなって出てくるのは、独占欲で。
二年生になって新しくできた友達が「あっこ」と呼ぶのも、自分を「まり」と呼んでいいか聞かれたときも、胸を締め付ける切なさを感じるまり。
もうそれは恋心、恋愛感情とも言えるもの。
可愛い姿を見せたいものあっこで、あっこはちゃんとまりを一番気にかけてて…
百合好きには堪らないですね。



合コン話が出る話には本誌連載時にとてつもない絶望を味わったものですが、そこはみるくたん、解ってらっしゃる。
その後の話が個人的には神回です。それは読んでのお楽しみということで。
いつだって「好き」って気持ちは無意識でとった行動から自覚されるものなんですよね。
とはいえ完全に恋愛になるかはまだまだ解らない部分はありますが、これからも楽しみにしています。



GIRL FRIENDS (1) (アクションコミックス)

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