失ってから気付いた大切なもの。取り戻せる日は来るのか? - 離婚同居(1)



離婚同居(1)/柏屋コッコ(Amazon)


タイトルの通り「離婚した夫婦が同じ家で同居する」漫画です。
私は結婚してないのですが、かなり胸にくるものがありました。



仕事優先で家庭を省みない夫・竜次に突きつけられた離婚届。
妻の春美は家事育児の全てをこなす日々に疲れ、やつれ、結婚前の輝きは失ってしまっていました。
離婚の引き金が、竜次が部下に「一度抱いてくれればあきらめられる」と言われてした浮気にもあります。
離婚し、春美は双子の娘のリカとユカを連れて実家へ。



結婚してからは「鈴木さんの奥さん」、子供が産まれてからは「リカママ」「ユカママ」と呼ばれていた春美の「私には名前がないの」の一言が重過ぎる。
竜次にも「おまえ」と名前で呼ばれることもなく、自分は誰なんだろうと思い悩みつつも、家事と育児に追われる日々。
自分っていう存在を、他でもない自分を必要とされている実感も感じられない変わり映えのない毎日は日々が不安だろうし、離婚を考えるのも無理ないことに思います。



竜次は独りで暮らすことになってから他人に気を遣えるようになり、妻子の存在の大切さに気付き始めます。
そんな折に、実家での暮らしに居心地の悪さを感じていた春美が帰宅。彼女が自立できるようになるまで一時的に同居することになるのでした。


独りの寂しさと家族の大切さに気付いた竜次ですが、春美は離婚してから人が変わったかのようにキレイになり、全くの他人として竜次に接します。
元・妻とは本当に他人になってしまったんだと実感してしまうだけに、読んでいる側としても切ない。
それに加え、離婚して戻ってきた元・妻が別人のように生き生きとしているのも、一時的とはいえ春美が選んだバイトが水商売だということも、こう胸がモヤモヤします。
や、離婚の原因は竜次にあるのは解っているんですけどね。でもやり切れないものは感じるなぁ。



春美の帰りの遅い日に子供と夜を過ごすことで、竜次が結婚していた頃にいかに自分が家庭を省みていなかったかを知る度にドキンとさせられますよ。
読んでいて自分のことじゃないのに、胸が痛い。
離婚同居”状態になってから見えてきた、春美の細かい気遣いが胸を締め付ける。



そして離婚は2人だけの問題じゃないんですよね。2人の娘にも問題が圧し掛かってくる。
夫婦は離婚して他人になったけど、娘の良いパパとママでいようと誓ったのに。
いがみ合っていてもやはり親で、娘は可愛くて、ままならない現状がまた遣る瀬無い。



今後の展開がどういう形を見せるか楽しみ。何とか復縁して欲しいものです。、
頑固に意地を張り合うんじゃなくて、少しずつ歩み寄ることが大切だと気付いたけど、離婚した現状ではなかなか言い出せないもどかしさが面白い漫画です。

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