いい監督はチームを変える、見ている者を魅了する! - GIANT KILLING(4)



GIANT KILLING(4)/ツジトモ 原作:綱本将也(Amazon)


個人的に今一番熱いサッカー漫画であり、今一番楽しみなスポーツ漫画である「GIANT KILLING」。
待望の4巻が発売ですよ。



この漫画は、最下位争いをするほどの弱小チーム・ETUを変える為に呼ばれた監督・達海が主人公です。
達海はその昔にETUに所属していた選手で、その彼が監督としてチームを率いるという展開は熱く、弱小チームであるETUが強豪チームを倒す”GIANT KILLING”が熱くないわけがありません。
達海は日本代表にも選ばれた選手でしたが、早々に海外のチームへ移った経歴があり、一部の選手やサポーターにとっては因縁のある人物。
その為、チームを率いるのも一筋縄ではいかないのも漫画の展開として非常に魅力があり、面白いですよ。



監督が変わったからといって、選手が変わるわけではありませんし、それだけでチームも変わりません。
負け癖が付き、後ろ向きになっているチームを、一見のーてんきな達海がともすれば奇抜であり大胆でもあったりする練習や策で少しずつ変えていきます。
大きく一気に変わるわけではありません。最終的に変わるのは選手自身であり、チームとしてはあくまで少しずつです。
この4巻では、DFの黒田がお気楽に見える達海のやり方に反発。
同じくDFの杉江とともにチームから少し離れるのですが、離れたことで達海のやり方が少し見えてきます。
選手個人が気付き、意識が前向きに変わることでチームとして変わっていく。
まだまだ達海監督が率いるETUは変化の途中で、今後どう変わっていくのか目が離せません。



この漫画は主人公が監督ということで、選手以外の人物の活躍にもスポットが大きく当てられています。
それはフロントであったり、サポーターであったり、ETUを追いかけるライターであったり。


GIANT KILLING」は達海を主人公とした漫画ですが、個人的にはETUというチームそのものが主人公だと思うのです。
ピッチに立って試合をするのは選手ですが、大きな目で見れば選手だけが試合をしているわけではない。
新旧のサポーターの確執やサポーターとフロントの衝突など、フロント・サポーターにもドラマがあり、彼らを含めてETUというチーム。
だからこそ、彼らの描写を通して、サッカーに詳しくない読者をもサポーターとしてこの漫画にのめり込ませる魅力があります。
そうして選手の、チームの成長を感慨深く感じ、達海ETUの活躍に鳥肌を立たせるほど魅せられる。
少なくとも私はそれくらいハマってます。



4巻でETUは名古屋グランパレスとの試合に突入しました。
試合の決着は5巻になると思いますが、この試合の展開は身震いするほど熱い。
本当に面白い漫画です。


GIANT KILLING 4 (4) (モーニングKC) (モーニング KC)

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