すべてのマンガ家がこうだと思ってもらいたい! - 吼えろペン
「すべてのマンガ家がこうだと思ってもらいたい!」
ご存知のように島本和彦作品は言うまでもなく、熱い。
熱いセリフと熱い勢いのある展開、それを支える絵柄、そして些細な疑問が生じても納得させられてしまう力。
それらは燃える熱血マンガ家・炎尾燃を主人公としたこの「吼えろペン」も当然のように持つ力である。
実際の島本和彦先生と炎尾燃は別人ではあるものの作者自身を元にしたエピソードもあり、島本和彦先生自身も様々な媒体で数々の名言を残していることから、読者が時として炎尾と作者を同一視してしまうのは当然のことと思われる。
フィクション内のマンガ家と言えども人間である。いかに熱い漫画内のマンガ家であろうとやはり人間なのである。
締め切りを乗り越えた徹夜明けはボロボロだし、過酷なスケジュールの前には逃げ出そうとしたり、時には楽な方へと流れてしまう。
しかし、この漫画の中のマンガ家は私には後ろ向きには見えない。
何故か?
それは彼らの生き様を表すもののひとつであり、島本作品の大きな魅力のひとつ”熱いセリフ”にあると思う。
そのセリフ達は冷静になって読んでみると正論でなかったり、ズレていたり、詭弁だったりすることもあるが何故か納得させられてしまう。
保身から出た流れ星超一郎の「おれは…絶対に!!おれを裏切らない!!」などの情けない部類に入るセリフの時でさえカッコ良く見えてしまうから不思議だ。
それは何故か!?
それらのセリフには魂があるからだ!
ベクトルがどの向きであっても!!
登場人物の生に近い感情から出た言葉は、描写された有無を言わさない迫力と相まって魂を感じる。
それは彼らの描く作品、ひいては生き様にも通ずるもの。
彼らの生き様も、熱い。
そしてそれはこの作品の作者である島本和彦先生にも言えることだろう。とにかく熱い。
この漫画は漫画を読む上でより楽しめる、目からウロコが落ちるようなことを教えてくれる。
とにかく、俺が面白いと思ったものが面白いものだ!という読み方を許されたような気がしてならない。
読者も魂で感じて楽しんで読んでもいいんだ!
【 面:4 オタ:2 パロ:4 共:3 痛:1 萌:2 燃:5 】
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