慣れ親しむことで、初見で作品から読み取れる情報が増えると思う

先日、友人の家で新年会をしてきました。
10年以上アフタヌーンを購読している漫画好きの友人A、一般人の友人3人と、私。


友人Aの家で飲むとお約束のようにその月のアフタヌーンの話になります。
私も友人Aも「プ〜ねこ」が好きで、一般人の友人3人に単行本を薦める流れに。




反応は、「意味がわからない」、「どこで笑えばいいかわからない」、「猫はかわいい」という感想でした。

曰く、「考えてもネタの意味がわからない」「(4コマ)漫画を考えて読みたくない」とのこと。
あ、今月の「ネルネ・ル・ネルネ」のネタは面白かったと言ってました。「パッと見で解りやすいから」だそうです。


確かに「プ〜ねこ」はネタがシュールでナンセンスだったり、時事ネタや社会風刺ネタ*1があったり、悪ノリに近いネタがあったりと読む人によって好き嫌いが分かれるとは思うんだけど。
でも「考えてもネタの意味がわからない」というのはちょっと予想外でした。
漫画オタクである私と友人Aは、普通に1回目である程度理解できるし楽しめる漫画だったので。


プ〜ねこ」に関しては私と友人Aは連載を追っていたので読み方がある程度できていたのですが、結論として
「長年日常的に漫画を読んできたオタクと普段あまり読まない一般人では、初見の漫画から読み取る情報量に大きな違いがある」
となり、それを目の当たりにしたというお話。
漫画に慣れ親しんだ人は自分の中に自分なりの読み方が確立されているだろうから、当たり前と言えば当たり前のことなんですけどね。



逆に私はサッパリ洋画を観ないので、一般人の友人と一緒に初見の洋画を観たら私の得る情報は格段に少ないと思います。
実際、洋画の観方が全然解らないからか「好きな洋画は?」と訪ねられても思い付きません。


慣れが読解力に繋がる

初見で多くの情報を読み取れるかどうかのひとつに「読み方ができているかどうか」ということがあり、読み方は”慣れ親しんでできていくもの”だと思います。



こと漫画に限った場合ですが、「少年漫画だけを長年読んできた人が、初めて読む少女漫画の手法・表現・文法に戸惑う」ということを聞いたことがあります。


ジャンルが違えばそれぞれにお約束・王道や様式美があるはずで、そのジャンルの作品を多く読むことで慣れていき、初見で読み取る情報が増えていくと思います。
自分なりの読み方ができてくる、と。
そのジャンルに慣れ親しんだ人に楽しむ為のポイントを聞いたりすることで”慣れ”の速度があがる気がします。
とはいえ、先入観になることもあるので注意は必要でしょうね。



また、普段から物語を細かく噛み砕いて読んでいる人や、描写・演出の意味を常に考えながら読んでいる人は、そういう読み方をしていない人に比べて多くの情報を得ている読み方をしているはずです。
そういった人がどういった読み方をしているか、その作品が何を描いているのかを聞くことは、自分の読み方に影響を与えることになりますし、自分が考え付かない見方を知ることにもなるので楽しみ方が増えるでしょう。
もちろん、この場合も先入観になることがあるのでやはり注意が必要です。

ちなみに

その飲み会では「ハトのおよめさん」の話にもなりました。



ハトよめ」は「プ〜ねこ」よりもある意味ではるかに難解だと思います。
面白い漫画だと思うのですが、私の頭の理解の範疇を超えています。


で、一般人の友人が読んだところ、「意味はわからないけど笑える」だそうです。
セリフや描写、展開のインパクトから視覚的に楽しめる、と。


漫画は娯楽作品だから楽しめるのが一番。
より深く楽しむ為には、色々読んで自分自身の読解力を育てていくのが良いかなと思ったのでした。


月刊 アフタヌーン 2008年 03月号 [雑誌]

月刊 アフタヌーン 2008年 03月号 [雑誌]

プ~ねこ(2) (アフタヌーンKC)

プ~ねこ(2) (アフタヌーンKC)

ハトのおよめさん(6) (KCデラックス アフタヌーン)

ハトのおよめさん(6) (KCデラックス アフタヌーン)

*1:単行本時に鮮度が落ちるのは時事ネタの宿命。「なんとなく直列」とか、言われて雑誌掲載時に惑星直列があったことを思い出しました。忘れちゃうんだよなぁ。