幸せの源泉となる”結婚”という暮らし方 - くらしのいずみ



くらしのいずみ/谷川史子(Amazon)


アワーズプラスに連載され、同誌が休刊となった時には単行本の情報もなく、本誌掲載の予定はあったものの時期は不明で「次はいつ読めるの!?」と不安になったものです。
その後数ヶ月経って本誌にて掲載され、単行本の情報が!
大好きな作品だけに狂喜乱舞しました。


その漫画のタイトルは「くらしのいずみ」。
少女漫画で数多くの作品を執筆されている谷川史子先生の初の青年誌掲載漫画です。



”結婚”や”夫婦”をテーマとした基本一話完結*1の珠玉のオムニバスといった構成になっています。
単行本は7組、7本の短編を収録。
それは、結婚し夫婦となった当人の話であったり、結婚を控えた男女であったり、はたまたその家族や友人の話であったりと様々。


描かれているのは”結婚”という人生に於いて大きな出来事のひとつで、その後にある生活はそれまでとは違うもの。
夫婦の数だけ異なったそれぞれの”結婚”の形があります。
生涯の伴侶として選んだ人の何を愛して選んだのか、一緒に暮らして初めて見えたことや見えなくなってしまったこと、それはその2人でしか存在し得ないこと。
谷川史子先生の作風がマッチして、やわらかな幸福感で胸が満たされます。


話によっては別離や、大切な人を結婚という形で別の人と一緒になることにヤキモキする側だったりしますが、それを経て幸せに続いていくものになっています。



好き合って結婚した夫婦でも順風満帆なだけでは当然なく、それぞれにそれぞれの悩みやすれ違いがあります。
相手の好みと自分が違って自信が持てなかったり、相手の本心を読み取れなかったり、喧嘩なく過ぎる日々に胡坐をかいて気遣いを忘れてしまったり。
夫婦といえども自分以外の人間で、話し合わなければ解らないことだらけで。
少しずつでもお互いを知って、思いやって、幸せに繋がっていけばいい。
そんな幸せを感じられる。結婚したくなります。


結婚という暮らしが幸せの湧く泉だと、そう感じられる漫画。この作品を読めるこの幸せ。
谷川史子先生の漫画が好きです。大好き。

*1:2本だけ同一のキャラがメインとなっていますが、単体で楽しめます。