ブッダとイエスの友情が心地良い宗教冒涜コメディ - 聖☆おにいさん(1)
増刊モーニング・ツーに連載されており、少し前のモーニング本誌での掲載が記憶に新しい「聖☆おにいさん」。
下界に長期休暇に来たブッダとイエスのコメディ漫画です。
敬虔なクリスチャンや仏教徒にはとても見せられない、宗教信仰が薄い日本ならではのギャグ漫画。笑えます。
信仰心の強い方には申し訳ないのですが、こんなに面白い漫画を読めるなんて日本人で良かったと思ったくらい。
ブッダとイエスの下界での生活はアパートで貧乏暮らし。
基本的な服装が変な文字のプリントされたTシャツとジーンズという、神聖な2人にはとても似つかわしくない服装ですが妙にしっくりきているのが良いですね。
ギャップからの笑いが至るところにあり、本当普通のどこにでもいる”おにいさん”のような親しみやすさが滲み出ています。
その親しみやすさからか、地元の一般人にも神や仏であることに気付かれることもなく、むしろ妙な絡まれ方をしたりしているのも笑えます。
そりゃあ、パンチパーマ(?)で福耳、額のアレ(何て呼ぶのか分りません)のブッダが居たら気になるさ。
下界での生活に溶け込んでいるブッダとイエスですが、そこは仏と神。
思わず後光が差したり、聖痕から血が流れたり、はたまた奇跡が起きたりして、それをもう片方が慌てて隠そうとするのも笑いを誘う。
逆に、あまりに普通のことに奇跡や苦行で得た力を使う庶民のような面が多く、ますます親しみが湧くではないですか。
趣味も普通で、くだらない事を苦行のように言う様もギャップで笑えて腹が痛い。
「神と仏なのにこんなにアホなことを!」と和む和む。
ブッダとイエスの関係も良いんですよね。
彼らは下界で2人暮らしで、アパートでも外出も一緒。バラバラの描写がほとんどないんです。
2人の関係は良い意味で空気のように自然で、そこに居るのが当たり前のような心地良さ。
強烈で派手ではないけど、マイペースで穏やかな友情を感じられます。
「仏の顔も三度まで」ということで静かに怒るブッダもありますが、それすら微笑ましい。
だって怒られる原因となるイエスの行動が凄く子供心に溢れていますし、ブッダもスーパーのチラシに丸を付けるくらいの生活感がありますし。
良い意味で俗っぽい、聖人2人の友情コメディ。面白いです。
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- 作者: 中村光
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/23
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