ナインボール犯罪成立!真打はやはりアヴィですよ! - GAMBLE FISH(4)



GAMBLE FISH(4)/山根和俊 原作:青山広美(Amazon)


予想の斜め上を行く変態性とギャンブルの熱い展開が融合した類稀な漫画、「GAMBLE FISH」。
4巻は3巻から続いてのビリヤード・ナインボール対決の決着と、続くvs阿鼻谷ゼミの試合直前まで。



ビリヤードJr.チャンピオンの朝比奈さんとの試合では、ゴキブリのような下衆な男・五木島が4巻でも大活躍していますが、決着前にあえなく途中退場。
彼は少女漫画のようなバックを背負うこともある萌えキャラです。ある意味で。
状況が不利になればあっさり杜夢を見限り、有利になれば手のひらを返して戻ってくる尻軽で、逃げ出す様も無様でありながらもちょっと可愛らしくてステキです。
キューでの追っ手の追い返し方も、ヒゲの配管工を思わせる走り方もキュートに見えるから困る。
詰め寄る樹プロがやや劇画タッチなのも良いですね。
山根先生にしてやられているのは解ってるんだけど、何でこの漫画の中年はあんなに輝いて描かれているんだ。もっとやってください。


この一見アクシデントのような展開をも演出し、その後に試合最大のギャンブルに出る展開は熱いなぁ。
全てが100%の計算でないからこそのギャンブル。その状況の熱さと言ったら!


対戦相手の強気な美少女が負けて杜夢に惚れる、最早お約束の展開も良いですよ。
勝ち誇ったスキや慢心から破れ、ギャンブル対決に妥協せずアフターフォローも抜かりない杜夢に陥落するギャップは見ていて心地良いものがあります。
しかし美華さんはステキなドSですね。
してやったりな勝ち誇った顔が輝いてる。



そしてそんな彼女を小娘と言わんばかりに登場するのは、我らがメインヒロイン・アヴィ!
「アヴィィイッ!!!!」と天井から降ってくる登場は度肝を抜かれました。カッコイイぜ。
見た目・言動ともに変態な阿鼻谷先生ですが、萌え要素を差し引いても単なるイロモノキャラでなく、誰も気付かないところをちゃんと把握しているその洞察力や学園への支配力はやはり只者ではない。
変態性抜きにしても魅力溢れるキャラですよ。


そして杜夢の次のギャンブルの相手はアヴィ率いる「阿鼻谷ゼミ」。
初めてその名前が出たイメージシーンはどこの魔王軍かと思いました。
その実態もゼミとは思えない、あたかも隔離された監獄。
やっぱりアヴィは予想できない変態性がステキです。



次巻は月夜野さんのアレと二回戦目のアレがありますし、これからも楽しみにしています。