好きな女の子はみんな謎の女の子 - 謎の彼女X(3)



謎の彼女X(3)/植芝理一(Amazon)


男にとって女性は謎多き存在ですが、とりわけ少女ともなるとそれは顕著。
というわけで「謎の彼女X」の3巻です。


行動が謎、彼女といて起こる出来事も謎、椿明と色々と謎が多すぎる彼女・卜部美琴の謎の恋愛漫画
少年にとって解らないことだらけの少女、その少女の中でももっと不可思議で神秘的な少女が彼女、な漫画ですね。



謎めいた行動、ちょっといやらしさのある行動も女の子だから許される。よだれの交換とか。
3巻の巻末おまけで”椿と卜部の性別が逆だったら?”な4コマを収録しているんですが、コレが男になるととたんに変態に見えます。
いや、植芝先生の漫画は良い意味で変態なんですが、男が「よだれをなめろ」とかやると違うベクトルで変態的になってしまう。
謎めいた少年もそれ特有の魅力があるんですが、「パンツはいてない」なんかは女の子だとエッチだけど男だとエッチというよりも変人みたいだよ!


というわけで、謎めいたライトで健康的ないやらしさは女の子だから許される特有のものだということで。
ああ、解っていても、解っていなくてもそういう魅力に惹かれてしまう男の性よ。
オープンなエロよりも、少しばかり陰というか含んだものがある魅力に惹かれてしまうんだ。



女性がもう男にとっては謎を持っていると思うので、卜部は普通の女の子よりも特に謎めいてはいますが、何も卜部だけが謎の女の子じゃないと思うのです。
上野も彼女の丘の考えが読めず、翻弄されることは多々ありますし。
むしろ翻弄されたい。突然、不意打ちでキスされたりするんだよ!?
女の子に主導権を握られている感じが非常によろしいです。


そう考えると「男にとって大切なのは、”攻め”の気持ちだ!」と意気込んでも、できずにメロメロになっている椿も上野も当然のことですね。
男なんてそんなもんです。好きな女の子がいたら。


思春期ならば特にですが男にとって、女の子は解らない謎だらけで、それが彼女なら尚のこと。
解らないから触れたい、でも解らないから触れられない。
触っちゃマズイけど、余計に触りたい。
だからこそ、触れ合えた時、抱きしめた時の嬉しさは何倍にもなる。
それは身体だけでなく、心でも。
名前で呼べた、というのもそうでしょうし、この漫画における”よだれの交換”もそんな心の触れ合いな気がします。



この漫画では”よだれ”がキーワードのひとつで、3巻には椿のお姉さんが”よだれ”を垂らしているエピソードがあります。
”よだれ”を垂らしている顔って可愛いと思うんですよ。
”よだれ”を垂らしている顔=無防備な顔だから。
自分だけに向けられたものじゃないと解っていても、他人に見せたくなくなる程に可愛いと思うのは好きだからこそでしょうね。


…何か明らかに感覚が麻痺してる気がします。



謎の彼女X(3) (アフタヌーンKC)

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