妖怪が可愛い、ウンチク妖怪コメディ - 怪異いかさま博覧亭(2)



怪異いかさま博覧亭(2)/小竹田貴弘(Amazon)


ウンチクが楽しい妖怪コメディ漫画「怪異いかさま博覧亭」2巻です。


主人公の榊がマニアの域に達する妖怪バカなので、妖怪に関するウンチクが満載。
また時代設定が江戸時代を舞台にしているので、その当時の人々の暮らしなどの江戸ウンチクも多いです。
基本的に、榊のところに持ってこられたり巻き込まれた厄介ごとから話が展開。それに関わる妖怪やモノ、町人の風習や仕事なんかの説明が入ってくる感じで進んでいきます。
1話につき1つ、妖怪またはそれに準ずるものがメインとなり、話によっては2体以上の怪異が出てきたりします。



ウンチクは作者自ら「付け焼刃」と書いてらっしゃいますが、私みたいな浅い妖怪好きには十分に楽しめます。
深い知識を持ってる人にはウンチクに物足りなさを感じるのかな、と思いますが敷居が高くなりすぎないという意味ではちょうどいいんじゃないかと思います。


語るウンチクも話の流れ・状況に応じたものを語る形で、一度に必要以上に語るのはそれほどないので読みやすいです。
2巻の河童の話がメインの回では、怖がりな忍者の八手に「河童の正体は南蛮人説」を聞かせ、居なくなってから別の説を持ち出したりといった感じですね。


1巻の初めの方の話はコマ割が細かくてセリフも多かったのですが、徐々にコマが大きくなっていき、2巻ではウンチクを語る漫画としてちょうどいいくらいの大きさにコマが定着した印象があって読みやすくなりました。



妖怪などの怪異をメインとしつつも、基本的にはギャグ漫画ノリなので事件が起きても人死にが出るようなこともありません。
榊は見世物小屋を営んでいながらも、妖怪を見世物にすることなく居場所を作ってるスタンスで妖怪に慕われていて微笑ましく、シリアスなちょっといい話もあります。
何というか、妖怪が可愛いんですよ。
特にちっこい付喪神たちが可愛くて和む。
新しく登場した八咫も榊の背に隠れる大人しい可愛さがありますし、サブキャラとして定着しそうだなぁ。
妖怪を奇異の目にあまり晒すことなく人間と共存させようとしているのが、読んでいて心地良いのかもしれません。


2巻では1巻からいる妖怪キャラの印象が薄い気がします。
人間キャラの個性が濃すぎて動かしやすいんだろうなぁ。濃いキャラがメインで動くと面白いですしね。