百合姫S VOL.4のちょっとした感想



百合姫S VOL.4(Amazon)


今月は百合姫Sの発売月です。
収録作品からピックアップして感想を。

カシオペア・ドルチェ / 高木信孝

エルザの元に弟子入りして、本格的に人形作りに入ったアンナ。
前回までに不可抗力でキスしたり色々とあったので意識しまくりです。2ページ目からニヤニヤしてしまいました。


エルザに接近されると真っ赤になって距離を取るアンナが可愛いです。
エルザがそれを「避けられている」と思ってしまうのは自然なことで、そのあたりがもう少しじっくり描かれているともっと良かったなぁ。
とはいえ、アンナが主人公ですし、場面がくるくる変わりテンポ良く話が進むのは心地良いですね。


アンナの気持ちを知っていて、アンナが見ていると知っていて、見せ付けるようにエルザにベタベタするオルガもこの漫画のポイントですね。
嫉妬させることにも愛があるなぁ。

桃色吐息。 / MATSUDA98

みんなに対して優しい友人に恋した女子校生の話。


好き過ぎて好き過ぎて、好きが溢れて、気持ちを隠せない主人公のちどりが可愛い。
周知の事実どころか、想い人であるあまみにもバレているのがもう、ね。
これが恋患いってヤツです。止まらんもんです。


あまみが自分に対する”好き”を知っても変わらず接してくれ、優しいのは嬉しいものであるけど、複雑でもあるんですよね。
その優しさは自分に対してだけじゃないし、なまじ恋心を知られているだけに距離を詰めさせてくれないから。


自分の恋心に真っ直ぐなちどりも、ちどりを翻弄する小悪魔なあまみも良いなぁ。

秘密のせせらぎ / 吉富昭仁

智子にキスされる夢を見て、彼女を好きになってしまった理沙の2人の夏の日の話。


智子は理沙を秘密の場所へ連れて行くわけですが、そこはキラキラと水面が光を反射する水場。川かな?
吉富先生の描く自然は独特の雰囲気があって良いですね。
キレイでゆったりしていて、清涼感とともに時間が止まったかのような”2人だけの世界”を感じます。


そんな場所での本音の吐露に傷付き、わだかまりなんかが洗い流されていく展開にも透き通るような清々しさを感じました。

乙女色Stay Tune / 藤枝雅

久しぶりの掲載です。
私は藤枝先生の百合が好きなんですが、やっぱりこの作品は特に良いなぁ。


夜、日南子の家に酔った有世が朋恵に連れられて訪問する展開で、暴露される日南子の女性遍歴にニヤニヤを隠せません。
それなのに、真っ直ぐ好意を伝える有世に手を出してこないというのは不安になりますわね。
そして日南子の方が有世に押されてる形なのは相変わらず良いです。次が楽しみ。

欠片 / 倉田嘘

30ページにわたる姉妹百合。読み応えがありましたし、何より面白かった。


誰より近くて大切な妹に対する感情がいつしか恋に変わって、両想いになっている形なんですが、この状況は普通ではないと感じる姉。
好きで大切だから世間的に認められる恋をして欲しいと、突き放し冷たく当たるのが切ないです。
それでも好きなままでいてくれるから、もっと冷たい態度をとってしまうのがもう。


相手の幸せを思っての行動が傷つけてしまう形をとっていて胸を打つのですが、それが相手の本当の好きに沿ったものじゃないのがまた悲しいなぁ。
気持ちのすれ違いを経て、おさまる形になる終わり方が良いですよ。

ひめちゃんはてれやさん / 珠月まや

ひめちゃんが大好き過ぎて暴走してる月子と、月子を軽くあしらうひめちゃんのお話。
月子曰く「ひめちゃんはテレやさん」。


借りたハンカチでなく偽物を返す月子もアレですが、返してもらって即捨てるひめちゃんのあしらい方も酷い。でもそれがいい。
誰も見ていないと思ってひめちゃんのリコーダーを吹く月子の小学生のようなバカさはニヤニヤもので、それに対するひめちゃんの反応にはとんでもなくニヤニヤしてしまった。


コミック百合姫S (エス) 2008年 05月号 [雑誌]

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