本好きの、本への愛に溢れたこの一冊。 - 番線〜本にまつわるエトセトラ〜



番線〜本にまつわるエトセトラ〜/久世番子(Amazon)


「番線」とは、取次ぎから割り振られた配本ルートのこと。確か。
…と覚えていたんですが、書店コードの意味も含んでるんですね。


というわけで、久世番子先生の新刊「番線〜本にまつわるエトセトラ〜」。
本への愛に溢れたエッセイコミックです。


暴れん坊本屋さん」は漫画家兼書店員として、書店員ならではのネタが満載でした。
この「番線」は元書店員の漫画家にして、いち本好きとしての番子さんの視点・体験で描かれています。
なので、漫画家や編集に携わる人、書店員、読者などなど様々な本に関わる人の話があります。
まさに”本にまつわるエトセトラ”
本好きならば楽しめること請け合いでしょう。



本に関連する職業の話では、写植屋さんや校正さん、国会図書館など、本好きなら聞いたことのある名前ながらあまり知らなかったりする仕事が読めて面白い。
自分の知らない職業の話は面白いんですよね。
それが興味のある分野に関わっていると尚のこと。


写植なんて”編集さんが貼るもの”って認識しかなかったですもの。
写植そのものを作る写植屋さんの職人っぷりと、その仕事の流れは本当面白かったです。


あと、国会図書館が興味深いですね。
日本の出版物のほとんどがある図書館とは知っていたのですが、何このダンジョンっぷり!
建物に本棚があるんじゃなくて”本棚が建物”であるかのような、なんてステキな建物。
見たい。見たいけど、閉架式なんて!利用者は書庫に入れないなんて!



で、本棚ネタもあるワケで。
本棚って買って、設置して、「どんな本をどんな風に並べよう」とワクワクするのが楽しみのひとつなんですよね。
しかし、あっという間に埋まって溢れて、それどころではなくなるのが世の常。


この漫画のこういう、いち本好きのネタは凄い共感できるからニヤニヤしちゃう。
うん、本を貸す時は袋に入れるよ!翻訳小説のカタカナ名は覚わらないよ!
この共感っぷり!
本好きには何か同じ因子があると思うんだ。

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大西電電
久世番子先生公式サイト


番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)

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