アシのイカと織り成す漫画制作現場コメディ - イカサマアシスタントへの道
漫画好きとしては漫画の製作現場は気になるものです。
どんな現場で、どんな流れで作家さんは漫画を描かれているのか。
漫画家を主人公とした作品で何となくのイメージは頭の中に出来ていますが、より身近に感じられるのはやはり楽屋ネタ的なあとがきや、実録・エッセイコミックでしょうね。
で、この漫画。「イカサマアシスタントへの道」です。
漫画家アシスタントを主役としたコメディ。
エッセイを多く連載し、エッセイは「エッセイ・コミックス」として刊行されるウンポコに於いてコメディとされているので、フィクションのコメディな漫画です。
とはいえ、「※この作品は基本的にフィクションですが、割と真実も含まれています。」とありますし、作中でのアシスタント先の先生が愛知県の片隅に在住、と妙な生っぽさがあって実録漫画に見えて仕方ありません。
…でも、主役はイカ。
主役はイカなんですよ!
デビューを夢見る現役アシスタントのイカが主人公です。
イカサマなアシスタントなのか、イカ様なアシスタントなのかは謎です。
同人誌は描いているみたいだけど投稿はしていないズブの素人のイカが、プロの漫画家のアシスタントの世界に入りプロの現場を体験していく、というのがこの漫画。
基本的な舞台は、先生とチーフアシの足達さんとイカの3人が共同生活状態の仕事場のみで繰り広げられます。
本当にそこのみなので、ガチで漫画の製作現場の一例という感じがヒシヒシと伝わってきます。
主人公がイカでも、それが普通に見えるほどのリアリティ!…リアリティ?
アシスタント初日にはゴムかけ、ある時は睡魔と戦い、仕事場ひきこもり状態での食事事情や、遅れていくスケジュール。
ペン先やトーン、定規なんかの画材の話。
運動と健康に、病気、助っ人アシなどなど。
漫画好きには何故か馴染みが深く感じられるネタばかりで楽しいです。自分では体験したことないのにね。
作中のスケジュールが修羅場に突入することも多々ありますが、雰囲気はゆるいです。イカですしね。
イカが表情も性格もゆるいのでオブラートに包まれた感じになっていて気楽に読めます。
まぁ、先生はかなりギリギリの状態が多いんですが。
でも先生かわいいよ先生。
平常時はメガネで笑顔でパーカーで、割と簡単に言動がぶっ壊れる先生がかわいいです。
そして、ツリ目で性格キツめでいつも違うパジャマのチーフアシの足達さん。
ハードな仕事ながらも、ほとんど共同生活な親密さが心地良いですよ。
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