馨と光、環とハルヒ。大きく道が開けた12巻 - 桜蘭高校ホスト部(12)



桜蘭高校ホスト部(12)/葉鳥ビスコ(Amazon)


桜蘭高校ホスト部」12巻は、11巻から引き続き2年のフランスへの研修旅行と、平行して進行するハルヒへの恋心に絡んだ双子のエピソードを収録。

鏡夜と環

須王の会長である祖母により、フランスにいる母親に会うこともままならない環は研修旅行を欠席。
フランスで環と行動できなくなった鏡夜は、せっかくだから暇潰しに環の母親でも探してみようとします。
口では強がりを言っていても、環が居なくて寂しい鏡夜の友情がヒシヒシと感じられますね。どんだけツンデレなんだ、鏡夜。


そんな鏡夜の気持ちをつゆ知らず、女子高生(?)の暗号のようなメールを送る環のアホの子っぷりが対照的で面白いです。
いやいや、環も旅行に行ってないのを隠してて独り寂しいんですよ。でも、鏡夜も強行軍でそこまで考える余裕がないんですよ。
それでも、多くを語らずとも環のフォローをする鏡夜の友情が良いですね。

馨と光

そんなホスト部2年生の一方、日本では双子がハルヒへの恋心を自覚したり気付かされたりで衝突。
これまでもセットで描かれることの多かった双子の、かねてより仄めかされていた「同じものを好きになる」「1人しかいないハルヒを好きになったらどうするか」という部分に踏み込むエピソードです。


2人とも好きな1人の女の子、大切な半身。その”好き”のレベルと優先順位。
”双子”という個性を持つ2人がそれぞれ別の考えを持ち進み出す、彼らにとって避けられない出来事だと思います。
その上で”双子であること”が最大の個性と認識するのは大きな前進ですね。


環とハルヒ

一人でヒマを持て余している環は父親と一緒に過ごした時間で、自分のやりたいこととそれを実現できる”須王の仕事”を提示されます。
そして愛すべきアホの子っぷりでハルヒに遭遇、自分の心の内をハルヒに話すことに。
真剣ながらも子供っぽい純粋な気持ちはハルヒの心に沁み込んでいくかのようで、環を見つめるハルヒに母性愛に近いものを感じずにはいられません。
そんなハルヒと”自称・お父さん”な環のラブコメっぷりが可愛くて仕方がないのですが。
もう!可愛すぎるぞ、2人とも!



馨の告白とより絆の深まった双子、将来の道を見つけた環、環の母親と出会った鏡夜、という展開が終盤を思わせるんですがどうなんだろう。
とりあえず鏡夜と環母の会話から、環父が環が跡継ぎとして成長するのを待っていて、その時が来たら環母を呼ぶことを考えてるように思いました。
何にせよ、かなり進展したのは確かですね。


本編とは関係ないんですが、第54話冒頭のメガネの女子が可愛くて仕方ありません。
モブキャラなのに!なんでこんなに可愛いんだ!


桜蘭高校ホスト部 第12巻 (花とゆめCOMICS)

桜蘭高校ホスト部 第12巻 (花とゆめCOMICS)