椿覚醒!ETUvs名古屋戦は鳥肌立ちっぱなし! - GIANT KILLING(5)



GIANT KILLING(5)/ツジトモ 原作:綱本将也(Amazon)


因縁の名古屋グランパレス戦を収録した「GIANT KILLING」5巻がついに発売ですよ!


私は連載も追っかけているんですが、それも含めて今のところ一番熱い展開だと感じているのがこのグランパレス戦です。
後半は特に熱くて、雑誌掲載時も毎週のように鳥肌が立ちっぱなしでした。
そして、単行本で改めて読んでもやっぱり震える。
ひとつ実をつけた、ひとつステージが上がったという感じ。
サポーター(=読者)で良かった!

元・ETU監督vs現・ETU監督

名古屋グランパレスの現監督は、過去にETUの監督を務め衝突が絶えなかった男・不破。
選手にとっても、フロントにとっても、サポーターにとっても因縁浅からぬ相手です。


この漫画は監督が主人公なだけあって監督同士の戦いも見所で、このグランパレス戦は特に顕著になっていると思います。


必要な人材や物を揃え、万全で最高の状態で戦おうとする不破と、今いる選手と物で上手く戦おうとする達海のスタイルの違い。
ブラジル人選手3人の名古屋と、外国人選手のいないETU。
作戦(理屈)ありきで選手の采配をする不破に対して、相手チームの選手との相性で適材適所にマッチアップさせる達海、と明確です。
右のFWだった板垣(この試合では左FW)に「可能性を示しているんだ。自分の使い方をひとつだと思うな」も一理あるんですが、ETU監督時代のことを思うとちょっと…という感じですね。


グランパレスのゼウベルトのフットボールは楽しんだほうが勝つんだ」のセリフが、演出的に皮肉っぽく見えてしまいました。
だって、達海のスタイルが正にそれだもの。

椿、覚醒!!

このグランパレス戦で一番輝いているのは椿です。


2巻の夜のグラウンドで達海とした話、4巻の試合を控えた日に村越とした話…その他諸々、
椿がこれまで積み重ねてきた出来事や伏線の、ひとまずの集大成という感じ。
だからこそ、熱い!


試合は前半からETUの防戦で進み、DF陣が活躍する展開。
前線にいるFWはあまり出番がない状態なんですが、ゴールされるかというピンチに突如現れてシュートをクリアしたのが、椿なんですよ。
それはもう、何の前触れもなく!
「この試合で椿は何かしてくれるんじゃ?」と思ったものです。


その後、後半のピンチでもクリアしたのはやはり椿。
この時も前触れはなく、俊足を活かして追いついた形ですね。
これが1ページ丸々使ったクリアで、その数ページ後にゾクッと身震いしました。



見開きでピッチに立つ椿。
その描写は、開けた視界と時間が止まったかのような感覚



椿の覚醒ですよ!
や、覚醒というとちょっと違うかもしれませんが、村越が語ったトップチームの試合で感じる領域ですね。
そしてここからの展開が熱すぎるわけです。



ETUのカウンター、カウンターをすると同時にベンチから立ち上がる達海の見開き。
スローな時間描写で、こぼれ球をゴールにねじ込む椿。



もうね、ゾクゾクしっぱなしでしたよ!
気負い上手くプレーできず、自信なさげだったあの椿が!
よくやった、成長したね!という心理が働きます。
ETUのサポーター(=ジャイキリのファン)で良かった!と思った瞬間でした。
ああ、良い漫画だ…。



達海は試合を面白く熱いものにしてくれます。
そして、「GIANT KILLING」はファンを熱くさせてくれます。
これからもETUのサポーターとして応援するよ!