感動、感無量の大団円! - エマ(10)



エマ(10)/森薫(Amazon)


「エマ」本当の最終巻、大団円ですよ。
オビにもありますがまさに感無量。
ずっと読んできて良かったと思える最終巻、良い漫画でした。



本編が最終話を迎えてから、番外編として脇役にスポットが当てられてきました。
魅力のある登場人物の多いこの作品だけにファンとしては嬉しく、そのキャラがますます好きになる話であり、もっと続いて欲しかったというのがいち読者としての本音です。
10巻では、アデーレとマリアの話が好きすぎる。


同時に、番外編は「エマ」という物語の舞台骨を支えた名脇役達を描くことで、物語の世界観に深みを増す側面もあったと思います。
様々な立場の人を描くことでこの時代の英国の生活が垣間見えて、本格的なブリティッシュロマンスであるこの漫画の魅力を1話ごとに広げてくれました。
だからか、読むほどに充足感を感じていたんですよ。



それだけに、3話構成での最終話は相当に胸にくるものになっています。
本編・番外編にと活躍したキャラ達が、ウィリアムとエマの結婚式に集まってくる様を見るだけで胸が一杯になってくるかのよう。
全員が全員参列するわけでなく、メルダース家に残って留守を預かるヨハンナやマリア達を描いているのが良いです。
それは留守にできませんものね。
残ったキャラの性格もあるけれど、こういうところをキチッとして描くのが生活感を感じるところです。



森薫先生はセリフで多くを語らず、表情や仕草、空気で表現するのが上手い作家さんだと思います。
だからこそ、じんわりと胸に沁み込んでくる雰囲気があります。
それだけに厳かに執り行われる結婚式の場面での、ウィリアムのセリフは胸にきました。
本当に少ないセリフの中で、先生を思い出すあのセリフは良い演出すぎます。


そういえば、表紙も結婚式のドレスとタキシードではなくてメイド服なのも良いですね。
在りし日の2人、という感じで。



あとがきに次回作で読みたいもののアンケートがあるんですが、本当にポエミーすぎて内容が全く判らないのがいいなぁ(笑)
「返せるアテがない」とかサッパリだ。
森先生の海底ものとかジャングルものも色んな意味で面白そう。
次回作も非常に楽しみです。

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エマ 10巻 (BEAM COMIX)
エマ 10巻 (BEAM COMIX)
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