擬人化の描写の妙が心地良い猫漫画 - ちょこっとヒメ(4)



ちょこっとヒメ(4)/カザマアヤミ(Amazon)


唐突ですが、私は猫が好きです。
しかしながら、世話ができるとは到底思えないので飼ってはいません。
その反動か、猫漫画がかなり好きです。


でも、ネコミミは特別好きというわけではありません。
となりのネネコさん」の2巻でも言っていたように、猫とネコミミは別ものだと声を大にして言いたい。

猫漫画の醍醐味(のひとつ)

猫はあのモフモフ感や肉球、皮が伸びる柔らかさが良いんですよ。
クールですましているように見えて、かなりバカな行動を取ったりする様がかわいいんですよ!
人懐こい猫もかわいいし、キシャーと懐かない猫もそれはそれでかわいい。
トコトコ歩き、警戒しながらこちらを伺う様も!



猫漫画の魅力のひとつに、人間と意思疎通ができないことがあると思います。
人語を解しコミュニケーションをとる猫漫画もそれはそれで良いのですが、人間と猫の言葉が通じないがゆえのディスコミュニケーションは面白さのいち要素


人間の猫への愛が通じずヒラリとかわすされたり、猫側の言っていることも通じず人間が見当違いのことをしたり。
時には一方的だったりしますが、そんなズレが微笑ましい。
そして言葉は通じずとも、幸せな雰囲気が伝わっている時のあの温かい感じ。
これは猫に限らず、動物ものにある面白さのひとつだと思います。

擬人化が絶妙な味を出してます

そこで「ちょこっとヒメ」ですよ。


ヒメの”ヒメ”は”悲鳴”の”ヒメ”
そんな感情(?)豊かな子猫のヒメとペルシャのしろこ、ボーッとした犬のくっきー、飼い主達のかわいいお話です。


この漫画は動物が擬人化されて描かれることがあるんですが、人間には動物にしか見えてません。
なので言葉はもちろん通じませんし、上記の猫と人間のディスコミュニケーションによる面白さは、飼い主の親バカっぷりにより加速しています。
ヒメ達に服を着せる話なんて、嫌がっているヒメ達と暴走するにいちゃん達の温度差が激しくて楽しい。


飼い主と一緒の時には猫として描かれ、猫達だけのコマは擬人化されているので猫達が何をやっているか解りやすいんです。
擬人化されていても、考え方も行動も一般的な猫漫画の猫そのものなのが猫漫画として良いですよ。
猫のヒメも、ネコミミモードのヒメもかわいいぜ。



意思疎通がズレてることが多いと言えば、しろことよーた。
彼らの出会った頃のエピソードがあるんですが、いつもの4コマにある明るさはなく、切なさがある温かさがじんわりきました。
ちょこっとヒメ」の擬人化描写はこういったエピソードで、より光ってますね。

ブログ内関連記事

豪華執筆陣の「猫本2」発売!講談社猫祭開催中!
プ〜ねこ」には人語を解するわけですが、全く別ベクトルの面白さがありますね。

関連

ザマログ
カザマアヤミ先生公式サイト


ちょこっとヒメ 4 (ガンガンWINGコミックス)
おすすめ度の平均: 5.0
5 遠い優しい記憶

ちょこっとヒメ 2 (2)
ちょこっとヒメ 2 (2)
posted with amazlet at 08.05.03
おすすめ度の平均: 5.0
5 「俺のサンマだ(注:ほめ言葉です)」
5 ほのぼのしますね

2巻の”飼い主&猫”なにいちゃんとヒメの表紙も好き。しろこやくっきーでもやって欲しいなぁ。