今月のFEEL YOUNG(FEEL YOUNG 7月号)



FEEL YOUNG 7月号(Amazon)


表紙は西村しのぶ先生ですが、「下山手ドレス(別室)」は休載でちょっとガクリ。結構好きな漫画なのです。エッセイ漫画は好きな人はとことん好きなんだよなぁ。

柴田さんちのエリザベス / 野口ともこ

朝起きたら義理の息子達と裸で寝ていたエリザベス、という先が気になりすぎる終わり方をした先月号。
全員が泥酔していて結局誰も記憶がなかったので、とりあえず他言無用のなかったことにしたわけですが…。


変なところを気にしなくて自由奔放なエリザベスでも、夫のカオルにベタ惚れだから言えない。言うわけにはいかない。バレるわけにはいかない。
カオルは子作りに関する自身の身体の異常のことをエリザベスに告げよう決心し、その直前にエリザベスも身体にある変調をきたします。そしてカオルが告白。


浮かれていた幸福感から、一転して目の前が真っ暗になるような事実を突きつけられたエリザベス。でもそのショックは表に出すわけにはいかない。自分だけでなんとかするしかない。
先月、今月と胃がジリジリギリギリするような展開が続いて先が気になって仕方ないじゃないですか!エリザベスの性格が奔放すぎてちょっとアレだとは思うけどもさ!

うさぎドロップ / 宇仁田ゆみ


第二部、2話目です。
第一部はダイキチ視点でダイキチとりんの家族を描いていたのに対して、第二部は成長したりんが年頃ということもあって、りん視点でコウキとの恋愛に焦点が当てられている感じですね。


幼馴染で親密な関係だからといってすんなり付き合うでもなく、りんがコウキと付き合っていない理由に納得がいくものなのが上手いなぁ。
そのことを、恋愛に関して相談できるりんとダイキチの関係が昔からあまり変わっていなくて何か安心してしまいました。
かなりの年月を経てもダイキチは相変わらずのダイキチでホッとしますね。
で、コウキが思うダイキチと、実際のダイキチの考え・ダイキチが思うコウキにズレがあって面白い。この辺が人生経験の差、大人と少年の違いかな、と思いました。

午前3時の無法地帯 / ねむようこ

イラストレーター希望で就職したその会社は実はパチンコのPOP製作なんかをやっていて「違うじゃん!」と思いつつ、なんとか仕事をしている主人公・ももこのお話。
やりたい仕事ではない、同期の新入社員はそうそうに逃げてしまっていて、ももこ自身も「イラストの仕事をしたい。そのうち辞める!」と公言、辞表も準備済み。
そんな中、打ち解けてきた先輩の社員に意地悪なことを言われて軽く口論になり、持っていた辞表を上司に取られ、上司預かりに。


それで初めて、自分が”こんな会社”と言ったこの会社で他の人は必死に頑張っているんだと、言われて気付きます。
自分のことしか考えてなかった。みんなの後ろに「仕事なめんなよ」という言葉が見える。被害妄想かもしれないけど。


誰かにピシャリと言われてようやく自分を客観視できるようになる、っていうのはよくあること。居た堪れない気持ちながらも「本当に辞めていいの?」という気持ちもあるんです。
やりたいことは他にある、辞めたい。それは確かだけど、今この仕事が楽しいというのも確か。
楽しいなら続ければいいじゃない。多少辛くてもさ。”楽しい!”っていうのは継続するための原動力になると思うんですよ。
ももこの話を聞いて、そういう意見を言ったのが社外で偶然知り合った別の会社の男性で、その相談に乗った場所と乗り方が素朴であたたかくて良いなぁ。