オタクだから面白く、恋愛漫画としても面白い - 妄想少女オタク系(4)



妄想少女オタク系(4)/紺條夏生(Amazon)


書店でオビ見て吹いたwww
「ハチマルワンダイバー!!」…センスが良すぎです。


「この恋、勝ち取りたいなら、潜れ!」って、誰がどこに潜るんだ。
順当に考えて、阿部と千葉(特に阿部)がBLの世界にズブズブ足を踏み入れていくって展開を今後も期待していい、と。
そんな感じで表紙も阿部と千葉です。



妄想少女オタク系」はご存知の通り腐女子さんを描いた漫画で、今となっては数多い題材になりましたが、このジャンルの漫画の中でやはりトップクラスで面白いです。
このジャンルは、自身もオタクでこっちの世界を良く知る女性作家さんが描いてこそ、ですね。
男性オタクを描いた漫画でもそうですが、当事者が描くなら自虐ネタですが、それ以外の作家さんが描くと侮蔑的な意味合いを感じてしまうので。読んで(そういう意図はなくとも)そう感じてしまうのがオタクなのかもしれないなぁ。こういうことを考え出すとキリがないので、ほどほどで止めておきます。

相変わらずのオタネタが楽しい

口絵がまるっきりニコ動のパロディでまた吹いたwwwてか、ホントにまんまじゃねーかw
という感じにパロネタ・オタネタが楽しく、4巻でのオタクイベントはオンリー。
しかも王子受オンリーという濃さ!
イベントの空気ややりとり、浅井と松井の初じめての同人誌の発行もあってオタクネタとしても展開としてもニヤリとできる良いイベントでございました。


しかしまぁ、阿部の空気の読めなさ具合が痛々しい。痛々しいったらない!主に読んでいるこっち(=オタク側)が居た堪れなくなりますね。
オタ界隈、好きになった相手がオタクというのは一般人にとっては未知の世界なので極端に描かれているのはわかっているのですが。
イベント会場とかオタショップでこういう経験良くあるなぁ、と思いつつ、友人といてテンションが上がった自分もやりかねないので気をつけようと思った次第。

恋愛模様が純粋に面白い

オタネタを切っても切り離せない「妄想少女オタク系」ですが、仮にオタネタに目をつぶって読んだとしても面白い恋愛模様な漫画だと思います。
4巻は特にそう思いました。4巻は「オタクだから」という部分ではなく、男女の関係や駆け引きといったことが大きく作用しての波乱だと思うので。
「超恋愛モード突入!!」のアオリは伊達じゃない!


浅井と阿部、松井と千葉のそれぞれがそれぞれに進展している中、どちらにも第三者の介入があって揺さぶりをかける展開に。
やはり恋愛漫画は三角関係になると面白さが増します。


両想いの松井と千葉には、千葉の姉の友人で千葉の昔の彼女の葵さんの登場で、その登場がまたタイミングが悪いというか良いというかそんな場面でヤキモキしますね。


浅井と阿部の方は、阿部の同中の百瀬が急接近。
BL好きな隠れオタでありながら「腐女子じゃない!」と主張する百瀬は、趣味にのめり込む浅井とも、オタ趣味を捨てキレイになろうとした松井とも違うポジションなのが面白いところ。
趣味を隠さなくてもいい相手である阿部に惚れるのも自然なことで、その居心地の良さを知ってどう変わっていくのかも見物です。
百瀬の介入でギクシャクする浅井と阿部の関係がどう動いていくのか、今後も楽しみでなりません。