店長はビアン!金持ちと貧乏っ娘の百合コメディ - プアプアLIPS(1)



プアプアLIPS(1)/後藤羽矢子(Amazon)


職を失った貧乏な女の子・大河岸ナコは求人誌で時給2000円のバイトを発見。
怪しいと思いつつ訪れた店は、お金持ちで美人のお嬢様・大塚レンが経営するパワーストーンのお店でしたが、バイトの面接でレンがおもむろに「最初に言っておきますけど、私レズビアンですから」とカミングアウト。
他のバイト希望者がドン引きで帰っていく中、「だってまだ仕事内容きいてないですから」と残ったナコはレンの店でバイトすることになったのでした。



まんがライフで連載中のガチ百合4コマ「プアプアLIPS」が待望の単行本発売ですよ!
第1話の滑り出しからこれですし、展開やアオリも百合百合しいので百合好きとしては毎回連載を楽しみにするしかないじゃないですか!



レンがビアンであるとカミングアウトしているものの、ナコを「好みのタイプじゃないから安心して」と採用しています。
それでナコも安心してバイトをすることになったんですね。


ところがナコの貧乏っぷりときたら、金持ちからでなくとも一般的にかなり不憫で色々とレンは世話を焼きます。
元々のんびり前向きな純粋さが可愛らしいナコは、小奇麗に着飾ったらかなり可愛いのなんの。
それでちょっと気になっていたところに、ナコの高校時代の男友達の古井が急接近したもんだから嫉妬で気が気じゃなくなります。
それでも「タイプじゃない」と言いつつ完全に惚れていて、プライドが高いもんだから認めようとしない、でも近づく男は排除するレンにニヤけます。



ナコの方もビアンのレンに警戒しつつ、食べ物を貰ったり、服を貰ったり(ツギハギだらけの私服で店に出るのはイメージダウンに繋がるから、とレンが買い揃えたのです)して、物やお金よりもその向こう側にあるレンの優しさを見つけます。
優しくて尊敬のできる人、と好意を抱き始めて少し距離が縮まるんですね。
でも、レンの元カノが現れてショック!あれ、ショック?



どちらも好意が恋心になりつつあるのですが、そこはギャグ漫画。
少しずつ近くなっていても絶妙な距離を保っています。
というか、ギャグ色が濃いです。


金持ちと貧乏というある種で対極に位置する2人のズレが、この漫画のコメディのポイントになっています。
一般人から見てもズレている2人の行動は、対極的な2人にはさらにズレたものに見えたり普通にスルーしたり。
家庭の事情で幼い頃に寂しい思いをしたレンをナコの行動が癒す様が良いですよ。


物やお金を与えることでしか人を愛せず「もう恋愛はしない」と決めたレンが、ナコの存在によってどう心をほぐされていくのかが楽しみです。