こんなオビ見たことない!漫画家と編集の実録漫画 - 楽屋裏(2)



楽屋裏(2)/魔神ぐり子(Amazon)


魔神ぐり子先生と編集の小柳さんのやりとりが激しい実録漫画「楽屋裏」の2巻ですよ。


漫画家と編集がメインといえば漫画を描いている時の出来事やどこかに取材に行く企画がイメージされますが、この漫画ではそれ以上に2人のテンションの高さや暴言が印象に残ります。
東京―宮崎間なので電話でのやりとりが多く、それだけ見ると一見仲睦まじく見えるのですが、その会話内容はわがままと罵りあいが主。
最近は雷句先生と小学館の件から漫画家と編集の問題が表に出されることも多いのですが、「楽屋裏」は暴言と毒舌に溢れていても仲が悪く見えないんですよ。
この内容にGOサインを出して掲載していることですし、ある意味で仲が良くないとできないはず。だから安心して楽しんで読めますね。



2巻のオビなんて関係の良好さを表す最たるもの。
表紙の3分の2を覆うオビはチラホラありますが、こんな内容のオビは見たことない!




表紙を見ていただければわかるのですが、表紙の4分の3を占めるオビの内容は「担当編集の実写ネタ」
編集の小柳さんは作中で剣道の面を被った姿で描かれ、お面を被った姿での写真がオビに使われています。
ちゃんとご本人だそうな。ノリノリだったらしいのが微笑ましいなぁ。




裏表紙はこんな感じ。
表紙のキャッチコピーの「かくさしゃかいをぶっとばせ!」が切なくも面白いですよ。


2巻のオビを実写でやるとの小柳さんの発言を聞いて、滝行をやらせようとした魔神先生が酷いです。
季節的に滝行の受付はやっていなかったらしいのですが、行っていたらやらせてたというから酷い。(褒め言葉


どう見ても漫画の本に見えない遊び心がステキです。
そういえば1巻も漫画の単行本に見えなかったんだよな…。




1巻はこんな表紙でした。
1巻は半分が「楽屋裏」、半分が別の作品だったのですが、2巻は全部が「楽屋裏」です。
実録・エッセイ漫画好きには堪らんね!



担当編集小柳とのやりとりは「原稿はできていない」「楽して金が欲しい」という魔神先生に対して、「ブタ」「更年期障害」と返ってくるような関係。
そして、日常生活ネタでもそれをネタにする自虐っぷり。
基本的に引きこもって漫画を描いているので出会いがなく、彼氏が出来ない、出会いがないだけじゃない、という自虐ネタが涙を誘います。
日常ネタでは病気で病院に行ったくらいしか外に出ている印象がないんですが…。


日常生活ネタではビリーズブートキャンプでのダイエットと唐突にスキンヘッドになったお父さんのネタが面白かったですよ。
実録漫画を描かれている作家さんの、日常からネタでにできるくらいの出来事を起こしたり拾い上げたりするスキルは凄いと思います。
それを笑えるネタに昇華する技術も。



暴言は、編集と行ったメイド喫茶メイドさんに無理難題を言っていたぶるくらいのレベルなんですが、自分のことも切り売りしているネタが多いので酷いと思うよりも笑えてしまうのがニクイ。
暴言・奇行が面白く楽しく読めるので、これからもこのテンションで続いて欲しいですね。

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