コンビニは戦場の娯楽なんだよ! - コンビニDMZ(2)



コンビニDMZ(2)/竿尾悟(Amazon)


連邦、反乱軍、民兵の三派の扮装の真っ只中、中立地帯であるポイントチャーリーに構えたるは戦場のコンビニ・DMZ
DMZ”とは非武装地帯のことで、銃火器の持ち込みはもちろん、イザコザも禁止なコンビニを中心としたミリタリーコメディです。


「戦争の中に日常であるコンビニがある」というあり得ない設定が見事で、軍ネタがサッパリ解らなくても十二分に楽しめるのが良いですよ。
戦争している、人も死ぬ、大佐は作戦立ててる、でもコンビニがメインなのです。
コンビニの敷地の外では戦争をしているけど、コンビニの中では普通に買い物しているんですよ。
軍人といえども新製品には目が行くし、販売戦略にも釣られるよ!



2巻でも相変わらずコンビニが戦況を左右していて面白いです。
大雪でのコンビニで篭城作戦、アイドルのイベント、新製品の地雷まん…などなど、戦争のただ中なのに悲壮感があまり感じられないのがいい。
戦場での食料調達がコンビニで弁当って、何とうシュールさ、何いう日常。
お気楽に見えるほどの盛り上がりは、娯楽が少ない戦場だからこそのことで兵士達の行動は別に不自然じゃないんですよね。コンビニが営業しているのが異質なだけで。
小隊長専用パンとか、あったら買っちゃう製品だなぁ。それに軍隊の階級ネタを絡めて、ミリオタでなくとも解るネタなのが嬉しいですよ。


そんな中で、コンビニ弁当を買い行くのが任務の新兵の話が、新兵をメインに語られているので悲壮感がありました。
作戦内容もさることながら、オチが、ね。ちょいと気持ちが沈んでしまった。
「そうなんだよな、戦場が舞台なんだよな、笑ってばかりもいられないよな」と不意打ちのように感じたものです。



この漫画の最強キャラは、コンビニの販売戦略、ひいては販売戦略を通じて時には意図的に戦況を動かす川口店長なのは間違いありません。
神か悪魔か、いつも笑顔を絶やさず、困ったお客様や代金の請求の時には邪悪な笑みで軍人を戦慄させるのが笑えます。でも川口店長の目が笑ってない。
コンビニ出店前の話では、根回しを兼ねて戦況をひっかき回したりしてたとか、確信犯すぎて怖すぎる。


その最強キャラの店長が失踪、店長不在でコンビニを回すという話も一捻りきいていて面白いですね。
常連さんは一時的に店長がいないからってどうということはないんですよね。新しくきた偉い人にはそれがわからんのです


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ギャラリーさを


コンビニDMZ 1 (1) (ヤングキングコミックス)
竿尾 悟
少年画報社
おすすめ度の平均: 4.5
3 完成度は高いが
5 見事なコンビニと戦場のミックスです
5 「非日常」の中の「日常」を描いた戦場喜劇漫画