ニートのサクセス(?)ファミレスストーリー! - 据次タカシの憂鬱(1)



据次タカシの憂鬱(1)/あどべんちゃら(Amazon)


まんがタイムきらら系の雑誌で唯一、ストーリー漫画をメインとしているのがフォワード。
そのフォワードで連載されているファミレス4コマが「据次タカシの憂鬱」です。
きららでもなく、キャラットでもなく、MAXでもないのはひょっとして主人公が男でかなり出張っているから?
だが、それが面白い。
ファミレスを舞台にした4コマといえば「WORKING!」が思い浮かびますが、この漫画も別方向にかなり面白いです。



据次タカシ、22歳。
ニート
大学受験に失敗し、二浪し、そしてニート歴が2年になり、さすがに母親に働けとケツを叩かれ、しぶしぶ外に出て見つけたのは近所のファミレスのバイト募集のチラシ。


そうだ、面接を受けて落ちれば堂々と帰ってゲームができる!


この男が主人公です。なんかもう、色々ダメです。


そうして小心者の据次が入ったファミレスは、女性だらけで男手が足りないなぁと思っていたところ。
面接に出てきたクックリーダーは「この店でバイトしている、男が苦手な娘に出会いを!」と言わんばかりに勝手に採用しようとするなど、大人がダメな店でした。
この漫画の大人はみんな酷いです。色んな意味で。



正式な面接ということで現れた店長が可愛いんですよ。これがもう。
柳瀬店長あってこそのこの漫画。
金髪ツインテール外見はどう見ても幼女、武士道かぶれな性格で思い込みが激しいです。


「嘘は嫌いだ」と奇妙な迫力の店長を前に、選んだ理由を「家から近かったからです!遠くだとダルイとかいい加減な理由なんですよ!」と答えてしまう据次に対して…
「たとえ自分の立場を悪くしても正直さを貫くその姿勢、気に入った!!」と即採用。
基本的にこんな感じで、思い込みからくる勘違いでどんどん評価がアップ。



小心者で人と接するのが苦手、バイトを辞めて気ままなニート生活に戻りたいと思っている据次ですが、店長になぜか一目置かれ期待されてします。
その期待がプレッシャーとなり、さらに据次の胃はキリキリと痛むのですが、店長の期待っぷりと思い込みが可愛らしくもこの漫画のポイントになっています。


据次の行動は、本人の意志とは裏腹に全てが良い方向に取られてしまう。
遅刻して謝れば「言い訳しないのは感心だ」、クレームがきてクビにしてくれと言えば「自ら厳罰を望むとは見込んだとおりの男だな」、ケガして休めてラッキーと思っていたら「怪我をおして店に出かねないからな」と見舞いにきてくれたり、とかとか。
果ては、「据次は私が見込んだ男だ。私の目にくるいがあれば切腹しよう!」とまで買ってくれている始末。
可愛いよ、店長。厄介だよ、店長。
でもフラグは立ってないよ!



据次と店長のフラグは立ってませんが、店長ラブな有能社員・千鶴さんから店長へのフラグは立ってます。
千鶴さんは据次がニートだったことを知っていますが、知っているからこそ店長を失望させるわけにはいかない、でも据次のせいで仕事が増えて店長と一緒にいる時間が減って許せない、と思っているくらい店長ラブ。
弁護士の資格も持つ元ヤン、ということで据次にはさらなるプレッシャーが。



女性アルバイト陣には、頼りないなぁと思われつつも、やはり勘違いで評価がどんどんアップしていきます。
ストーカーを撃退したことになったり、ギャルゲーを加えて逃走した犬を追いかけて結果的に身体を張って交通事故から犬を救ったり。
やる事なす事、全てが高評価に繋がるのですが、本人は小心者のニート気質なので瀬心的には全くプラスになっていません。
フラグはへし折りまくりです。
それが漫画として面白いんですよね。
本誌の方では新キャラも増えて、ますます意図しない株が上がっているのが楽しいです。