社長なのにトラブルメーカーなユーリアたん、可愛いよ - 王様の仕立て屋(19)



王様の仕立て屋 〜サルト・フィニート〜(19)/大河原遁(Amazon)


「王様の仕立て屋 The Special Edition」という本が出てますね。
発売予定を見た時にはどんな本だろうと思ったのですが、テーマに沿ってセレクトした傑作選みたいです。
再構成されたものなので全巻持っていれば漫画的には特に必要ないかなと思います。
ですが、「王様の仕立て屋」はスーツを仕立てて欲しくなるほどの漫画ですし、テーマで纏まっているのはファッション的な側面では意義があるんじゃないかなぁ。
本編を読んでいて、ファッションに疎い私なんかは「なるほど、そうか」と思わされることも少なくないです。



というわけで、本編19巻が発売です。
今巻はジラソーレやペッツオーリの大仕事に借り出されたり、どっかに滞在していることもなくナポリの工房での1話完結の話で構成されています。
ブランドがしのぎを削りあうビジネス戦略がバックグラウンドにある状況も好きなんですが、個人的には今巻みたいな方がもっと好きだなぁ。
客分を続けているわけでもなく、大仕事で慌しいのが続くでもなく、本拠地で腰を据えて落ち着いている雰囲気が良いです。
ゆったりしていても、粋な感じ。


煙突掃除夫や理髪師など、悠が自分のサルトにいる時の1話完結回は地元で生活する人達の生活がより見える感じがします。
続きものもストーリーで掘り下げられたキャラ達がひょこひょこ出てくるのも楽しいですし、レギュラーキャラの日常も垣間見れますしね。



そういう意味では、19巻はやはりユーリアたんのダイエット話が最高でござる。
扉絵が健康的にやたらエロくて良いですね。
ナポリピッツァが美味くて気に入っているのはわかっているのですが、食べ過ぎれば太るってわかっているのに…残業を禁止した定時後の社内で服を直しているとか…。
社長、権力の使い方が変です。
美人社長だけれど、すぐにキレたり、取り乱したりするのがユーリアの魅力だと思ってます。
女性陣の中でも人間味溢れすぎなユーリアが大好きです。
男性社員が「今日もお美しい…一生付いていくっス」って思うのもわかります。
で、太ったことはあんまり気にする必要なさそうですよ、社長。とはいえ、乙女心ですよね、そうですよね。
悠とフラグが立てばいいのに!とか思っているのですが、色々へし折そうでそういう気配がないのも良いかと。


いや、ユーリアがダイエットしている話はそれがメインじゃないんですけどね。
常にハンバーガーを食べているメタボなアメリカの凄腕プログラマがメインで。



あとは久しぶりに金持ちの放蕩息子のシモーネが出てきたり。
相変わらず、気持ちいいくらいむかつくロクデナシですね(笑)
作者コメントで、そういう野暮なキャラの代表として作られたキャラだと書かれていて非常に納得。
彼のように良い服を金メッキにするんじゃなくて、良い服が似合うような中身の人間になっていきたいものですね。
それにしても、シモーネの両親が良い人なので余計に不憫すぎる…。