ラブコメも、メディアをめぐる闘争も、ますます面白い! - 図書館戦争 LOVE&WAR(2)



図書館戦争 LOVE&WAR(2)/弓きいろ 原作:有川浩(Amazon)


少女漫画版「図書館戦争」の2巻も、ラブコメっぷりがステキで頬が緩みますね。
LOVE&WARですよ!愛ですよ!戦争ですよ!


メディア良化法により公序良俗に反するメディアの検閲・処分を断行する政府に対し、地方自治体は図書館法に「図書館はすべての不当な検閲に反対する。」旨の第4章目を追加。
2つの法の許、図書狩りを行うメディア良化委員会と本を守る図書隊が争う時代が「図書館戦争」の舞台です。



1巻が面白くて、でも時間がなくて原作は読んでないのですが、2巻もやはり文句なく面白いです。
電撃大王の方の漫画版「図書館戦争」をチラッと読んだ限りでは、恋愛が多くのウェイトを占めているようには思わなかったのですが、「LOVE&WAR」はラブコメが多くの割合を占めていても闘争がきちっと伝わってくるのが良いです。
基本的な対立の構図がわかりやすいというのもあるだろうけども、要所要所のポイントを押さえているんでしょうね。
いや、原作は読んだことないんですけども。
もっと細かいところ、深い部分は原作を読むべし、という感じで原作を読んでみたくなる良いコミカライズですね。



現実の社会がそうであるように、「図書館戦争」の本をめぐる闘争も様々な組織がそれぞれの思惑で動いています。
図書隊も一枚岩でなんかなくて、政府側に近い思想を持った隊員や、内側から図書を処分させようとするそれなりの役職の人間もいます。
様々な考えの人間がいるのは当然なんですが、そもそものメディア良化法が如何せん悪法で主人公が図書隊ということもあって、どうみても政府側が悪役にしか見えないです。
笠原が図書特殊部隊に配属され、出動もある2巻では特にそう感じました。
まぁ、読者も本好きでしょうし、本は守りたいと思うよね。



作中では、メディア良化委員会(政府)・教育委員会・警察・マスメディアが裏で連携して”望ましくない図書”を処分しようとします。
この”望ましくない図書”というのが、前後の文脈とか意味とか関係なしに、僅かな表現があっただけで対象とするような独断と偏見に満ちたものだから堪ったものではありません。
事件が起こった際に、何でも”望ましくない図書”のせいにするのは思考停止に他ならないんだぜ?
恣意的な情報操作や偏向報道、規制対象に明るくない人が決めた法規制などなど、現実にも聞こえてくる事柄ですね。
物語なので極端な部分はありますが、「図書館戦争」はそういった問題が織り込まれていて、「LOVE&WAR」は読みやすいので友人・知人にもオススメしやすいです。
何より面白いですし。



で、読みやすく面白い要素としてのラブコメですよ。
笠原と堂上教官にフラグが立っていて、笠原の同期の手塚が入ってきて三角関係になるんだろうなぁと思っていたら、やっぱりなったw
しかも、いきなりの告白って!
自分以外に一目置かれる笠原のことを知りたい、自分に良い影響を与えてくれるかもしれない…からとはいえ、段階を踏まないとダメだってば、手塚。
犬猿の仲な相手から突然の告白というアレな告白ですが、良い恋愛をしてこれなくて返事に悩んでしまう笠原がちょっと切ない。
素直で純粋だよ笠原、不器用だよ手塚。でも性格悪いよ、手塚。


ブコメ的には、もとより手塚は堂上教官の引き立て役だと思って読んでいるのですが、堂上教官がカッコ良すぎです。
笠原のピンチに駆けつけ、守り、セリフもカッコイイ!
肩を貸して抱きしめたり、笠原より身長が低いことなんて全然気になりません。むしろプラス。
笠原が不安そうに堂上教官の服を掴むところと、堂上教官が笠原を下の名前で呼び止めるところが見所だと思いました。

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