運命のパートナーと力を巡るサバイバルゲーム - WIZARDS NATION(3)



WIZARDS NATION(3)/相川有(Amazon)


「WIZARDS NATION」の3巻を読了して、ゲームっぽい設定だなぁと改めて思うのでした。
そのままRPG…いや、3Dアクションの方が向いてそうかな。ネット対戦できそうなやつ。



古来より封印されてきた”ゆきどけ”と呼ばれる力が解放され、その力は欠片となって街に飛び散り、その力を宿した子供達がいる街は隔離された…というサバイバルものです。
その”ゆきどけ”の力、”色(しき)”に関わる設定が非常にゲーム的なんですよね。
巻末1ページを使って解説があるくらいややこしそうだけど、1回聞けば理解できる解りやすさ。
でも改めて説明するのはめんどい感じの複雑さ。


”色”を宿した子供は身体のどこかに色つきの漢数字が現れます。
五色の色は力の系統を、数字は力の強さを表し、”色”には”兄(え)”と”弟(と)”が存在します。
”兄”は攻撃、”弟”は防御に長け、力を宿した者には”運命の左手”と呼ばれる力を増幅しあうパートナーがいる、と。
で、相手を素手で土下座させるか死亡させれば力は側にいた能力者に移り、力が強くなる、という解りやすく争いの火種になる設定があります。



まだまだ”ゆきどけ”や”色”の設定に関しては小出しですが、3巻になり、中核をなすメインキャラも一通り出てきた感じ。
2巻まで…というか、3巻の12話までが多分、当面のメインとなる組の顔見せだったんじゃないかな。組になってない人もいますが。


で、13話では2巻では出番がなかった元・イジメられっ子で現・不良どものボスのダニ様と不良・青崎の再登場。
おっちゃんが良かれと思って”色”の説明とチラシ配りをしたことで、力の争奪戦がスタートし、幼い頃から訓練をしてきた透子・苑花ペアと衝突。
透子と苑花は一緒に育ち、運命のパートナーという百合的によろしいペアなんですが、知識や能力面でのアドバンテージがあるものの欠点が発露し敗北。
百合ペアは、小ダヌキちゃんを連れた新キャラに助けられます。
まだまだまだキャラが増えるだろうことは解っていたけれど、”色”以外で重要な力の持ち主が出てくるとか、基本ルール外の能力者も多いのかな。



3巻は”運命の左手”はどんなものやねん、っていう巻でした。
「ボクちゃん」「ボクっ娘だろ」とショタ・ロリ疑惑がありそうな不良コンビに襲われるエミリオと姐さんのカズキ、元・イジメられっ子&イジメっ子の小谷・青崎ペア、百合ペア(ウチでは透子・苑花コンビはこう呼ぶことにした)を通して、それぞれにパートナー間の能力・現象を描いていた感じですね。
色別の能力も、各色の傾向が解る程度には出てて、相性が結構重要になりそうだと思いました。


ところで、作中のセリフから透子は”赤の弟”っぽいんですが、登場人物紹介だと”黒の弟”なんだよなぁ。(解説ページでは黒は物を操る力)
苑花も”黒の兄”でビーム出してて、エミリオも”赤”で筋力強化してたし、色は傾向であって属性じゃないだろうな。



能力的な面も考えていると楽しいんですが、やはり登場人物の多い群像劇的な人間関係が楽しみ。
バラバラに動いていたのが、交錯し始めているので今後の連載ともども楽しみしたいところです。