最高のパートナーと、総毛立つほどの最悪の展開 - MOON(2)



MOON-昴 ソリチュード スタンディング-(2)/曽田正人(Amazon)


前から知っていたけど、連載追っかけているけど、改めて面白い。面白すぎる。
圧倒的じゃないか!



「MOON」の2巻は、盲目のダンサーであるニコとすばるのパ・ド・ドゥの続きから。
高い技術を持っているにせよ目が見えない相手とペアで踊るなんて、当然のごとく並大抵のことではありません。
先にニコと踊り、本番のパートナーに決まったカティアは、ニコに合わせることで踊りきりました。
対してすばるは前から言っていたように、全力でぶつかり合い、高め合うようにニコとパ・ド・ドゥを踊りきりました。


「何で目が見えない相手と全力で踊れるんだよ!」という疑問に対する回答として”すばるは100回踊れば、100回とも同じ踊りをする”ことが明示されていて、天才だからとかそういうダンサーだからで済ませないのが面白さの底上げになっていると思います。
まぁ、文字通りぶつかり合い、傷付きあいながら繰り返し練習を重ねていたので、踊れたことにあんまり疑問は抱かなかったけども。
ニコがその気になったのは、すばるがもとより目が見えないことを欠点と見ておらず、むしろ「自由だ」と言っていたこと、そして失敗してもめげないタフさがあったからで、そういった”人とは違ったものの見方・考え方”が技術とは違うすばるの魅力ですよね。
練習の成果がすばるの動きをイメージさせ、ニコがすばるの表情までも見えたのはオーラというか積み重ねたものによる奇跡というか、どちらにせよ震えがくるものでした。
そりゃあ、パートナーにはコイツしかいないと惚れ込むってもんです。



公演であっても日本行きを渋っていたすばるが、行きたくない理由、かずまのことをニコに話したのはパートナーとして認め合ったが故のことに見えて仕方がありません。
前に日本公演をドタキャンしたことや彼女の態度は天才のワガママに、彼女の経歴は運が良かっただけと事情を知らない人には見られがちですが、すばるは苦労も努力も重ねているんですよね。
観客がそんな事情を知る由もありませんし、確かに才能も物の見方も天才だけれど苦境にあっても諦めない強さと乗り越える為の努力をしてきたのを読者は知っています。
だからこそダンスの迫力に説得力があって震えるわけです。


盛大にネタバレになるので詳しくは書けませんが、2巻終盤で急展開を迎えます。
何度読んでも総毛立つほどの展開に泣いた。
今までもかずまの前で踊ったことが糧となり色々な局面を乗り越えてきたと思っていたのですが、乗り越えていたわけじゃなかったんですね。
メンタル面ではどん底まで叩き落され、どういう本番を迎えるのか。
しかし、フィクションとはいえメディアって…。実際にやりかねないイメージがあるけども。



大筋にはあまり関係ないけど、サダの分のチケットをすばるが用意していなくて、ちょっと心の中で泣いた。

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曽田正人公式ホームページ


MOON 2―昴ソリチュードスタンディング (2) (ビッグコミックス)
曽田 正人
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5 この巻はやばいです…
5 泣きます
5 発売日に買う

MOON 1―昴ソリチュードスタンディング (1) (ビッグコミックス)
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4 ニューヨークからベルリンへ
5 更に進化してます♪
5 11巻のレビューを書いてから、もう4年・・・
5 今後はライバルと切磋琢磨して欲しいです。
5 帰ってきました