「桜蘭高校ホスト部」13巻のハルヒ単独表紙は、恋心の自覚と関係の変化を思わせる。



桜蘭高校ホスト部(13)/葉鳥ビスコ(Amazon)



私にとっては”ハルヒ”といえば藤岡です。(挨拶)
ハルヒ”といえば藤岡で、”憂鬱”から連想するのは「涼宮ハルヒの憂鬱」、”ホスト”といったら「夜王」です。異論は認める。
ホスト部”ならば「桜蘭高校ホスト部」おいて他にはありません。



そういうわけで、「桜蘭高校ホスト部」の13巻が発売になりました。
今回の表紙はハルヒ単独です。


 

今までは主人公のハルヒであっても単独の表紙ということはなく、2人以上で表紙を飾っていました。
しかし今巻はハルヒ単独で、内容としても重大な出来事がありますし、その意味を含めての表紙だと思えてなりません。
しかし、ハルヒは可愛いなぁ。



桜蘭高校ホスト部」はお金持ちのところの子供達が通う高校を舞台、注目度の高い男子生徒数人が接客をする”ホスト部”の面々のお話です。
その桜蘭高校に庶民の藤岡ハルヒが特待生として入学、ホスト部の備品を壊してしまい弁償のためにホスト部に入部。
服装に無頓着で男子の制服を着ていたけど、でも実は女の子。
男(しかも美形)だらけの部活という逆ハーレム状態だったのですが、ハルヒの性格と部員が家族のように仲の良いこともあって、決定的にはハルヒに対して恋愛方面に踏み込まない展開が続きました。


馨と光のハルヒへの恋心が徐々に顕在化してきて、ついに衝突したのが11巻。
いよいよ恋愛的な意味でクライマックスに突入だぜ、と思ったものです。
双子で同じ人を好きになってしまった馨と光は彼らなりの決着をつけるのですが、結局のところ直接ハルヒを巻き込む形にはなっていませんでした。

藤岡ハルヒの初恋

一方の殿こと環とハルヒは以前からフラグを重ねていても、殿はバカで「お父さんと娘」とか言ってるしハルヒは鈍感だしで、ヤキモキさせられつつもむしろ微笑ましいくらいのじれったさ。
それが12巻での、本音で話しあってからデコチューというニヤける出来事を経て、ようやくハルヒが環を気にし始めましたよ!
ようやくだよ、長かったよ!光には悪いけど、どう考えても私は環派だよ。
ハルヒは環が気になるのは風邪のせいだと思ってたし、恋だと指摘されても認めようとしなかったし、そもそも馨がみんなに余計なことを言わないようにさせていたのも含め、このじれったさが「ホスト部」らしい。


それにしてもメイちゃんがイイ女すぎる。良い娘だなぁ。
ハルヒが心から信頼できる同性の友達で、気が利く上に、読者の代弁までしてくれているポジションですね。



ともあれ、認めていないにせよハルヒが環への恋心を自覚したのは大きい。
環は環で、単純に愛すべきバカで部を家族として見立てていただけかと思いきや、過去の出来事による部分の方が大きなウェイトを占めていそうです。
”和気あいあいとした、家族のような仲の良い仲間”から、本格的に恋愛感情が入り混じってホスト部の関係が変化することを踏まえての、ハルヒ単独表紙なんじゃないかなぁ。
14巻がどんな表紙になるかわかんないけども。



しかし、環×ハルヒ派(ハルヒ×環でもいい)にはニヤニヤポイントが多い巻でした。
風邪気味だったとはいえ、殿が気になって頬を上気させているのも良いですし、メイちゃんが置いていった雑誌なんかを読んだハルヒの反応は最高。
「…恐ろしい子!」と言いそうなハルヒ表情の隣に、子供と戯れる幸せなイメージのギャップが!イメージの中であっても、そこは「センパイ」じゃなくて名前で呼ぶべきだよ!


真面目な見方の方としては、環がハルヒをいつも思いやってくれていたこと、それに気付いたハルヒの考え方を良いほうに変えてくれたこと。
それからのハルヒの、環のことを話す表情も言葉もただただ優しく柔らかいことが嬉しい。



身を引いた馨が光の背中を押す形になっていて、次は光が環にそれをする形になるのかな?
新キャラの高坂さんもしっかり伏線張っておきながら、それ以降の出番は13巻ではなかったので次の登場が楽しみです。


ブログ内関連記事

馨と光、環とハルヒ。大きく道が開けた12巻 - 桜蘭高校ホスト部(12)


桜蘭高校ホスト部 13 (13) (花とゆめCOMICS)
おすすめ度の平均: 5.0
5 「家族」のままではいられない?
5 ハルヒと光
5 お医者さまでも治せない♪
4 ハルヒが…

桜蘭高校ホスト部 12 (12) (花とゆめCOMICS)
おすすめ度の平均: 4.0
5 終わりに向かって…
5 急展開
5 あぁぁぁぁ(>_<)
5 いよいよ双子の決意と、そして。
2 展開が急過ぎて