今を守り、未来へ続く物語「セラフィック・フェザー」、完結!


 

セラフィック・フェザー(10)(Amazon)
セラフィック・フェザー(11)/うたたねひろゆき 原作:武田俊也 原案:森本洋(Amazon)


セラフィック・フェザー」完結、最終巻発売!
10年以上読み続けてきた漫画だけに完結、そして最終巻を読了して感慨深いものがあります。


友人がハマっていた影響で読み始め、まんまとうたたねひろゆき先生にハマり、漫画でロリ体型に強くエロスを感じたのはケイちゃんとリスティスだったような気がします。
ちなみに、それ以前にロリキャラで好きになったのはナデシコのルリとヴァンパイアセイヴァーリリスだったはずなんですが、そういえばセイヴァーはオフィシャルでうたたね絵がありましたね。しみじみ。
あんまり関係ない話はこれくらいにしておいて。



ストーリーは月面を舞台に様々な思惑が交錯するSFで、私が一番読み返していた高校生当時はSF用語やら政治的な画策やらで、何回か読まないと理解できなかった記憶があります。もしくは理解できていなかったかもしれない。
毎月の連載ページ数が少なかったこと、それゆえに単行本が出るのに時間がかかったことから覚えていないことも多いので、ストーリーの感想は割愛。
それでも、長く付き合ってきた作品だけに読み返せば絶対また違った感想を抱くでしょうし、思い出深い作品なので好きです。



人類を滅ぼそうとするアゾートと、それに対抗するEシードの最終局面。
10巻と11巻はほぼその死闘に終始しており、この2冊だけ読むと主人公はアペプにしか見えない。
ヒロインはマザクさん。
本来の主役であろうスナオは影が薄すぎます。
スナオほどじゃないけど、本来のヒロインであろうケイちゃんも影が薄い。
初めからフラグ立ちまくりだったスナオとケイちゃんはキスすることもなく、ケイちゃんは旅立ってしまったのですが、描き下ろしのエピローグを読んである意味泣いた。
やっぱりアペプが主人公なんじゃ…。


いや、そもそも当初からマザクさんはもう1人の主人公というべきポジションだったわけで、そう考えるとマザクさんは想い人との記憶を取り戻し、想い人と歩んで行く未来も手にすることができたんですよね。
異能力者・超人だらけのこの作品において、スナオはちょっと特別な力はあるものの本人1人では凡人レベルで、その彼が異能力者達と死地を駆け抜けた物語でもあるのかもしれません。
守られ追いかけ、成長し、彼らとの別れを経験するお話だったのかも。
そう考えて自分では妙に納得してました。



ラスボスが完全な人外のマザーではなく、異形の力を手にしたとはいえ人間のアル=ハリハだったのが良かった。
直接的な支配ではないものの、世界征服を果たした上でその虚しさと絶望から地球を破壊しようとする動機は妙な人間味がありしっくりくるものでしたし。
ラストの死闘が超能力パワーバトルの域を出ませんでしたが、バトルがメインの漫画ではないから問題はありません。



ところで、10巻の見所はレンの退場が名場面だと思うのですが、10巻も11巻も表紙にレンがいないことにも涙しそうです。
とはいえ、アペプとスナオのそれぞれ未来を共にする女性、という構図だから入る余地なんてないんだけど。



あ、本編ラストとエピローグのラストは対比的な構図になっているのかも。今気付いた。
地球圏に残った2人は火星に行った人ならざる力を持った人達を、地球を去った彼らはさらにその先を見ている、という未来へ進む物語なんですよね。


セラフィック・フェザー 11 (11) (アフタヌーンKC)
うたたね ひろゆき 武田 俊也
講談社
おすすめ度の平均: 5.0
5 雑誌のポスターなどは無い…。 エンブレムシードは火星でアペプとケイが持っている。スナオとマザクは宇宙飛行士