1人では”半熟”な柔らかな女の子達の恋模様 - 半熟女子(1)



半熟女子(1)/森島明子(Amazon)
アキココット(作者サイト)


「半熟女子」は森島明子先生の初の長編百合漫画です。
携帯配信の漫画で、携帯で漫画を読まない身としてはどこまで続くのか読めませんが、長く続いて欲しいですし続けれるだけの設定がある漫画だと思います。
色んな意味で”半熟”な女の子達の百合。



”男に生まれたかった”八重は女の子らしい女の子で、そんな女の子らしい自分がコンプレックスになっている女の子。
高校から入学した女子校は当然のごとく女の子しかいなくて、自分が女の子であると意識しなくてもいいから少しは楽になれる環境でした。
女子校で出会って仲良くなったちとせは、幼稚園から女子校で家は5人姉妹という環境で過し、のびのびと育った女の子。
のびのびと女の子であり、男の子のようでもある自然体なちとせを羨ましく思う八重。
ひょんなことから八重はちとせに悩みを打ち明けることになり、自分が嫌いな八重を心配し、八重自身を見てくれるちとせとより仲良くなります。
それはもう友情以上の。


女の子らしい自分が嫌いな女の子と、自分が男っぽいと自覚している女の子のカップル、しかも攻め側に回ることが多いのは八重というのが良すぎです。
森島先生はツボをついてらっしゃる。

男を知る女の子と大人の女性

森島先生の百合は「女の子だから好き」ではなくて、性別は関係なく「その人だから好き」というのがすごく感じられて好きです。
好きなその人じゃないとダメなんだよ。
「半熟女子」には八重とちとせのカップル以外にもう一組あって、そっちの組が「その人だから、好き」っていうのを体現していると思います。


八重達の先輩のマリと教師の蘭は、年の差カップルなんですがそれ以上にアダルトな雰囲気も醸し出してます。
マリが「男とセックスすれば”女”になれる」と思っていた女の子だけれど、してもピンとこない。
それは恋をしてないからだと、好きだと感じる教師の蘭に近づいていきます。
蘭も蘭で、好きな人がいるけど諦めざるを得ず、好きでもない男と付き合っている状態。
そういった”好き”に関して悩みがある2人が関わっていくのが、八重とちとせのカップルとは対照的に見えて面白い。
女である自分がどうしようもなく女に癒されるという、理屈じゃなくそう思える相手に色々経て辿り着いたのが良いんですよ。


マリと蘭も、生徒×教師の年下攻めなのがやはり森島先生はツボをわかってらっしゃいます。
ある種の王道だもんなぁ。それだけに良いものです。
マリは下級生の認識ではビッチなんですが、蘭に対する気持ちとのギャップが堪らんです。




八重とちとせも、マリと蘭も両想いになって結ばれて一段落した感じなんですが、2巻はどういう展開を見せるか楽しみ。
2組が絡むのか、はたまた新キャラが出てきてかき回すのか。
ちとせが5人姉妹という設定も、百合姫本誌で三女の番外編「半熟腐女子」をやってましたし、色々と話を広げられる設定ですね。

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楽園の条件 [IDコミックス/百合姫コミックス] (IDコミックス 百合姫コミックス)
森島 明子
一迅社
おすすめ度の平均: 5.0
5 社会人百合の急先鋒!
5 キャラがとても魅力的。
5 少女のときめきは大人になっても忘れない
5 ほんわかゆるりと楽しめました
5 質が高くなってきた