3人と3本の、局部入れ替わりコメディ - ちんつぶ(3)



ちんつぶ(3)/大和名瀬(Amazon)


「ちんつぶ」はトップクラスで頭がおかしいBL(褒め言葉)と聞いて気になっていたのですが、読み終えるとものすごく納得してしまう漫画でした。
あまりにもバカバカしい設定で楽しく、読んでいる途中で「これはこれで、こういう世界として普通なんじゃね?」と思ってしまうくらいの魅力があります。
すごいぜ、「ちんつぶ」。
さすが、タイトルが「ちんこのつぶやき」の略だけある。



修学旅行のバスが事故で珍古神社に突っ込んでしまい、取手は意識不明の重体になってしまいます。
事故のショックで取手の魂は何故か、彼が片想いしている綾瀬のちんこへ。
また、バスで騒いでいた神谷と注意をした岩淵もちんこが入れ替わり、さらに何故かちんこにそれぞれの人格が宿り喋りだす始末。
すごい設定だ。
取手を目覚めさせること、元の体に戻ることが一応の目的ではあるんですが、すっかり馴染んでしまってそれが普通であるかのように生活してます。
違和感は、あまりない。



一応の主人公は取手らしく、綾瀬と両想いになり綾瀬の身体にちんこだけ取手、という形でラブラブ。
取手本体を目覚めさせようとしつつ、オナニーでラブラブです。
…オナニーって言っていいのか?
主人公カップルはひとつの身体に2つの人格で展開に幅があまりないかと思いきや、取手の弟(小学生)に綾瀬が惚れられて、ショタと小学生を含む三角関係でカバー。
それどころか取手は魂なので、何かしらのショックで綾瀬から離れたり、別の部位に移動して「ちんこは伸縮性があって良かった」的なことを言わせたりと、何でもアリで凄すぎます。



二心同体(?)な取手と綾瀬と別に、ちんこが入れ替わった神谷と岩淵の2人を用意してギャグだけじゃなく真面目な恋愛もあるのが良いです。
個人的には、見るべきはむしろこの2人かと。


ちんこが入れ替わるだけならまだしも、何故かちんこが人格を持ち、その人格が本体とは別のものだという設定が凄すぎます。
目・口もあるし、岩ぶちんこに至ってはメガネまでかけてるし。ちんこのメガネが無くなって困る話もあるし、凄すぎる。


本体の本質がちんこの性格であるらしく、岩淵と神谷ちんこ、神谷と岩ぶちんこはそれぞれにコミュニケーションをとって本体にだんだんと惹かれていきます。
離れていても一緒にいるかのような感じ、素直になれない気持ちをちんこが代弁してくれるので何とも微笑ましい。
男でも女でも簡単に体を許していた神谷が実は繊細で、話が進むごとに神谷ちんこは本体と違った性格になっていき、ブリッコちんこ化していくのが笑えます。
笑えるのとともに、本体の方も素直になっていくのが可愛い。
でも、いくらちんこと仲良くなったからといって外で2人と2本で話しあったり、店の中をチャックから出しながら物色したりはアレだと思うんだ。



設定からして完全にギャグですが、恋愛面はしっかりしており、絡みも”他人のモノ”なのでほぼお互いに触る程度なので、「セックスがあるBLはちょっと…」という方も楽しめるんじゃないでしょうか。


掲載誌がなくなったか何かで、5年ぶりの新刊…いや最”珍”刊。
同人誌からの収録も多いです。
次の巻が出るのはかなり先になると思いますが、楽しみに待つとしましょう。


ちんつぶ 2 (2) (MBコミックス)
大和 名瀬
実業之日本 社
おすすめ度の平均: 5.0
5 笑えて、キュンとして…
5 下ネタ苦手な方も是非一度!
5 続・つぶやき!!
5 ち○こがかわいい!