訓練されたオタクは、結婚生活と両立できるのか? - おたくの娘さん(5)



おたくの娘さん(5)/すたひろ(Amazon)
すたひろ日和


叶は可愛いなぁ。
突然現れた小学生の実の娘、ワガママも言うけれど慕ってくれる可愛い娘と一緒に暮らすシチュエーションはオタクの夢のひとつと過言ではございません。
同じ屋根の下の生活にこなれてきた5巻でも、父親との初デートを楽しみにする叶の可愛いことと言ったら!


叶が可愛いのは万国共通認識だと思うんですが、耕太をはじめとして「おたくの娘さん」の基本視点が保護者視点で、慈しむような感じになるんですよね。
叶を性的な視点で見たいロリコンな方は、にっち先輩視点で読めば解決という手段が用意されているのも良いです。
にっち先輩は行き過ぎた一段上の変態ではあるんだけど。
耕太とにっち先輩のオタネタ混じりの掛け合いが楽しすぎます。



女性の保護者ポジションといえば管理人さんで、管理人さんの”管理人さんっぷり”の上昇が極まってきましたね!
主に漫画外の部分でのことだけど、あとがき漫画とカバー裏のすたひろ先生の反応が真理すぎる。
そりゃあ、耕太も管理人さんは恋愛対象として見れんわ。癒しで女神ですわ。
ヒロインの叶が実娘なので恋愛的なポジションにいるはずなのに実質的にそういう扱いされないことも、母親がビックリな女性なことも、年齢に関わらない妙齢の大人な色香を強めている気がします。

NO OTAKU、NO LIFE!?

まぁ、「おたくの娘さん」は恋愛をメインに描く漫画ではないですし、ヒロインは叶で恋愛ポジションにくる女性は望ですわね。
個人的に5巻で一番印象に残った話といえば、28話のコレ。

未だにぬぐえない誘惑もあります
1人の生活……
叶がここに来る前の生活
好きなことやって給料全部自分のことに使って……


これ、オタクなら誰しも考えたことあるんじゃないかな。
結婚している人でも独身時代に考えたことはあるんじゃないでしょうか。私は独身だけど。


結婚するとして、実家暮らしであれば部屋を借りたりなんかで生活費が増えるわけです。
共働きでなくなるなら実収入が減るわけです。
子供ができれば養育費が…etcetc。
相手もいなければ結婚のアテもない男でも、ふとたまに考えるんですよ。
このまま結婚してやってけるのだろうか、と。妄想するだけなら自由だから妄想してもいいじゃない!
訓練されたオタクであればそうであるほど、考えると不安になるものです。…いつか結婚できるのだろうか。


でも、オタクライフと結婚・家庭を持つことの幸せや楽しさは別ベクトルなんですよね。
周囲の結婚した友人を見ているとそう思います。
28話を読んでいても失って初めて解る、人と一緒に暮らす温かさなんだなー、と感じずにはいられない。独りは寂しいものだもの。
でも、行き過ぎたオタ趣味は拒絶されるんだよね!


そうか、だから英才教育を…いやいやいや。



他に5巻には重要な出来事として望とのニアミスがあります。
漫画内時間であと半年の折り返し地点だという衝撃。単純計算で10巻くらいまでか…。
ニアミスゆえに耕太と望は遭遇しておらず、気持ちも近いところにないのが悲しい。
叶にとって耕太との生活は楽しくとも、確かに耕太の生活ぶりは親子3人で暮らすには難しく、かといってあれだけのオタク生活をやめることもできないわけで。
結婚して3人で一緒に暮らすのが予想されるラストですが、どう折り合いを付けていくのか楽しみ。